アシックスは、スポーツを行うことで心がどのように変化するかを可視化できるシステム「Mind Uplifter(マインドアップリフター)」を開発したと発表した。

グローバルランニングデーである6月2日から無料で一般公開し、世界各地で100万人の参加、利用を目指すとしている。

アシックスは、「アシックス」ブランドで、創業哲学の「健全な身体に健全な精神があれかし」を表すブランド・スローガン「Sound Mind, Sound Body(サウンドマインドサウンドボディ)」をテーマとしたグローバルブランドキャンペーンを、2021年1月から開始しているという。

同キャンペーンは、コロナ禍で影響を受けている世界中の人々の心身の健康を維持するためのスポーツの促進や、特に精神にもたらす効果について検証し、スポーツが持つ意義を改めて認識しようとするもの。

今回はその一環として実施するもので、スポーツによって得られる精神的な変化を具体的に明らかにすることで、日々の生活を前向きでより豊かに過ごしてほしいとの思いから企画されたとのことだ。

「Mind Uplifter」は、脳科学や被験者の運動データなどを分析し、スポーツが感情と認知能力に対しどのように貢献したかを定量化することで可視化できるようにしたもので、ニューロインフォマティクス企業のEMOTIV社とブレンドン・スタッブス博士と協力して開発。

Mind Uplifter特設サイトにアクセスし、顔認証を行う画面にて自身の顔をスキャンし、科学的根拠に基づき開発した質問に回答。

その後、ランニング、スイミング、野球、ヨガなど指定された20種類のスポーツから1つを選択し、20分程度の運動を実施。

その後、再び顔認証と質問への回答を行い、これにより、運動の前と後における脳と感情の状態が測定され、精神状態の変化を判定することが可能になるとのことだ。精神状態は「冷静さ」「充実感」「集中度」など10項目に色分けされ、カラーパレットで表示される。

判定結果は、各ユーザーのデータを集約し、世界の人々が運動することでどれだけ健やかな気分になれたかを一目でわかるようにした「World Uplift Map(ワールドアップリフトマップ)」で見ることもできるとのことだ。

〇ブレンドン・スタッブス博士のコメント

運動は、メンタルヘルスとWell-being(ウェルビーイング)の維持に非常に重要な役割を果たしており、今後ますます重要になっていくでしょう。このたび、EEG測定(脳波測定)を使用した独自の方法により、かつてないほどスポーツの高揚力を確実に測定できるようになりました。私たちの希望は、できるだけ多くの方に、運動することで心も動かし充足感を実感していただくことです。

Asics Uplifting Minds x Napoleon Salomon

〇アシックス 代表取締役社長COO 廣田康人氏のコメント

アシックスは、「健全な身体に健全な精神があれかし」を創業哲学に掲げ、世界中のすべての人々の心身の健康向上に寄与するプロダクト、サービスの提供を目指しています。コロナ禍によって私たちの生活は変化し、多くの人が身体を動かすことの大切さを改めて認識されたことと思います。スポーツによって得られる身体的、精神的効果を客観的に把握できる「Mind Uplifter」を活用いただくことで、みなさまの日常生活が心身ともにより健康で充実したものになることを願っています。 今後は、この研究開発で得られた知見を生かし、スポーツによるポジティブな効果をさらに発信していくなど、新たな取り組みを推進していきます。

〇「Mind Uplifter」の開発について

「Mind Uplifter」の開発にあたっては、45名のアスリートと一般の人に協力してもらい、先進のバイオメトリクステクノロジーを用いて、関心、興奮、ストレス、リラックス状態、認知ストレス、集中力の6つを分析。

これらの主要指標について、運動前と運動後の個人の認知反応と感情反応の違いを明らかにしながら、個人の生体情報の解析も行い、適度な運動が精神に与えるポジティブな影響を定量化しているとのことだ。