120人以上のプロマンガ家を輩出してきた「トキワ荘プロジェクト」を運営する特定非営利活動法人NEWVERYは、マンガ家・マンガ家志望者向けの住まいであり、育成プロジェクトの新たな拠点となる「多摩トキワソウ団地」を2021年6月1日にグランドオープンすると発表した。
多摩トキワソウ団地は、一流のプロクリエイターを目指すマンガ家・マンガ家志望者を対象に、29室を設けた団地型のシェアハウス。
マンガ家・マンガ家志望者に限定した住まいとしては、日本最大規模となる(2021年5月当会調べ、学生寮を除く)。
NEWVERYが手がける企業向けのマンガ制作事業「Graphium Studios」(グラフィウム・スタジオ)の業務をハウス居住者に委託し、クリエイティブ制作活動を行うほか、マンガ家向けの研修教育活動を展開していくなど、職・住・学が一体となったトキワ荘プロジェクト最大の育成拠点として位置付け。
◆拠点オープンの背景
これまでNEWVERYでは、マンガ家・マンガ家志望者向けにシェアハウスを14棟(全80室)設置し、主に都心ターミナル駅から25キロ圏内に配置していた。
これは、マンガ家志望者がプロマンガ家のアシスタント業務を行うときのアクセスの良さを考慮したものであるという。
しかし現在、新型コロナウイルス感染拡大により、マンガ制作業務がリモート中心に大きくシフトし、交通アクセス環境の重要性が低下している。
他方で、地方に居住する場合のように他のマンガ家志望者の少ない環境では、対面交流を通じた刺激やインプットの少なさが、能力形成の足かせになっているとの認識が深まっていたとのことだ。
そこでNEWVERYでは、多数の居住者が集まることでコミュニケーションをより一層充実化でき、プロとしての成長を加速可能な環境にある同物件へ既存施設の移転・集約を図り、職・住・学一体での拠点とすることを決定したとしている。
なお、多摩トキワソウ団地の開設に伴い、トキワ荘プロジェクトの既存の住まいのうち7棟を閉鎖するとのことだ。
◆サービス詳細
多摩トキワソウ団地は、独立行政法人都市再生機構が手がける団地再生事業「りえんと多摩平」内で提供されるサービス。
NEWVERYが、りえんと多摩平の一部区画を賃借し、マンガ家・マンガ家志望者にサービス提供を行う。
個室3室で1ユニットを構成し、ユニット内での交流がしやすい環境であるという。さらに他のユニットの居住者と共同で利用できるキッチン、ラウンジ、ワークスペースが用意されており、プライベート空間と集団での交流の場を両立させた住まいとなっている。
また、設備面では、個室内にデスク、ベッド、エアコン、冷蔵庫などを標準で装備し、ユニット内に共用のトイレ、洗面台を用意。共用部には調理設備、シャワーブース、ランドリーなどを用意している。
さらに居住者は、りえんと多摩平で契約しているシェア畑を利用することが可能。
近隣には、日野市が事業主体となるインキュベーション施設があり、マンガ制作におけるビジネス課題を、他のビジネスパーソンとの交流を通じて解決していくことが可能であるという。
今回、エリア一体で整備された「りえんと多摩平」における高い居住性の下で、建物内外で交流を促す仕掛けがあり、能力形成に適した環境にあることが同物件選定の理由となった。
今後、居住者専用のオンラインコミュニティと併用しながら、キャリア形成をより加速する仕掛けを進めていくとのことだ。