エムステージグループ、従業員喫煙率11.7%に 国の掲げる22年の喫煙率目標12%を達成

企業向け産業保健サービス、医療人材総合サービス、医療経営支援を提供するエムステージグループは、2021年度の従業員喫煙率を公表。

従業員喫煙率は11.7%で、国の掲げる「2022年の日本の喫煙率目標12%」を企業として達成したと発表した。

5月31日の世界禁煙デーに合わせて、グループ従業員162名に対して実施した調査では、たばこを吸ったことのない非喫煙者70.4%、禁煙に成功した非喫煙者17.9%、喫煙者11.7%となり、2021年5月現在の従業員喫煙率は11.7%となった。

閣議決定された「がん対策推進基本計画(第3期)」では、2022年度の日本の喫煙率12%の達成が目標として掲げられており、この国の目標を1年早く、企業として達成することができたという。

なお、厚生労働省国民健康・栄養調査によると、2019年時点の日本の喫煙率は16.7%となっているとのことだ。

2019年時にエムステージグループとして掲げた「2019年の従業員喫煙率14%を、2022年10%以下へ」の目標達成に向けて、引き続き禁煙推進に取り組んでいくとしている。

エムステージの禁煙施策

従来、オフィス内禁煙や禁煙費用の補助などの禁煙支援を実施していたが、2020年4月からの健康増進法改正にともなう受動喫煙対策の義務化に向けて、「2022年の従業員喫煙率10%以下」の目標を宣言し、2019年より禁煙推進の取り組みを強化。

(1)受動喫煙対策の実施

出勤してから退勤するまで、残業時間中や外出先等も含めて就業時間禁煙とすることを規定化しているという。

最終的には全面禁煙規定だけではなく喫煙者の新規採用停止などのより強いレベルの対応を目指して、段階的に取り組みを進めているとのことだ。

(2)禁煙治療の費用補助

禁煙外来や禁煙治療薬の費用を、1年に上限2万円まで、一人につき3回まで支援していくとしている。

社員の金銭的なハードルを下げることで、専門外来や治療薬による効果的な禁煙に取り組むことができる。また複数回利用できるようにすることで、禁煙に失敗しても再度挑戦できるようにしているという。

(3)衛生講話でのたばこに関する知識提供

毎月、産業医による従業員の健康維持・増進のための衛生講話を、動画と資料で全社員に向けて発信している。世界禁煙デーのある毎年5月頃は講話のテーマとして喫煙を取り上げることで、専門家による正しい知識を継続して提供しているとのことだ。

今年は喫煙者に向けた禁煙セミナーも、5月31日からの禁煙週間に合わせて実施するとしている。

(4)禁煙を応援する風土の醸成

禁煙開始時に、「禁煙チャレンジ宣言」を周囲に対して行うことや、エムステージの保健師による喫煙者への個別カウンセリングの実施(配偶者や家族も可能)など、禁煙を皆で共有し、応援する風土の醸成に努めているとのことだ。

また、禁煙成功後も、禁煙3か月以降は再喫煙率が高いため、6か月目にアンケートによるヒアリング調査などの継続フォローを実施。

(5)「禁煙推進企業コンソーシアム」への参加

エムステージは、2019年11月より禁煙推進企業コンソーシアムへ加盟。コンソーシアムは、国の2022年度の喫煙率目標12%達成に貢献することを掲げ、禁煙推進を強く「宣言」する企業が集まり結成された団体。

定期的に情報交換の機会や、最新の禁煙ノウハウを学ぶ場が提供されているため、効果的な禁煙推進を実施することができるという。

(6)非喫煙者に向けた制度

喫煙者に向けた禁煙費用補助制度とバランスを取り、非喫煙者に向けた制度も取り入れている。禁煙のインセンティブを提供することで、禁煙を促す狙いもあるとのことだ。

<従業員アンケートより>

<社員からのコメント>

・喫煙できる環境がないことで、臭いを始めとする煙害に煩わされないことに満足している。
・より健康を保つ努力をしている社員に対して、手厚く会社がバックアップしていると感じる。
・タバコ休憩が存在しないため、就業時間内は全員仕事に一生懸命取り組める。
・金銭的補助などの禁煙実施のデメリットをなくす制度はよく聞くが、健康増進ボーナスなどの禁煙、非喫煙者のメリットとなる制度はなかなかないのでは。バランスが良いと感じている。
・特にオプション健診の会社負担の制度がうれしい。ずっと乳がん検診に行くことを後回しにしていたが、これをきっかけに毎年受けるようになった。

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