東海旅客鉄道株式会社(JR東海)は5月18日、2021年度から順次投入する新形式の在来線通勤型電車「315系」において、冷房に人工知能(AI)による自動学習・制御最適化機能を導入すると発表した。同事例は国内初としており、冷房能力を約3割向上(211系比)させられるという。

本機能では「315系」全車両の温度・湿度・乗車率などの車上データを地上のサーバーに送信し、サーバー内のAIにより最適化した冷房制御を実現する。

従来の車両では、事前に車両に設定した設定温度に対して自動制御をすることに加え、乗務員が車内を巡回して必要に応じて冷房温度を「高め」「低め」に手動で補正し、車内の温度を調整していた。本機能では、乗務員による手動補正などを自動学習し、冷房制御を最適化できる。

AIにより最適化した冷房制御を車両に定期的にフィードバック。乗務員による手動補正などを自動化することで、よりきめ細やかな冷房制御を実現するとしている。また、冷房装置の動作状態を車両から車両基地などに常時送信し、故障の予兆段階で迅速なメンテナンスをすることで、故障を未然に防げるという。

そのほか、同車両では車内防犯カメラを1両につき5箇所、非常通話装置を1両につき3箇所設置したり、全車両に車椅子スペース、全編成に車椅子対応トイレを設置したり、インテリアデザインコンセプト「優しく安心感のある快適な移動空間」に近づける工夫をしている。

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