村田製作所は、オフィス内のCO2濃度をリアルタイムに可視化し分析を行う空間可視化ソリューション「AIRSual(エアジュアル)」を2021年7月初旬から提供開始すると発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大防止の一環として、オフィス空間でのクラスター発生を抑えるため、「3密」の回避が必要。その手段のひとつとして換気が挙げられている。
同サービスは、センサで測定した室内のCO2濃度をPCやタブレット端末上の画面で可視化し、CO2濃度が規定値に達するとアラート通知をして換気のタイミングを通知。
当日のCO2濃度の増減から次の換気までの時間予測をしたり、会議室内の利用時間に対するCO2濃度の傾向を把握したりできるため、会議室の利用状況に合わせて適度な換気を実現するとのことだ。
また、設置場所に関するデータの事前設定など、煩雑な手続きは必要なく、簡単に設置することができる。
これにより、密室での会議実施時などでも適度な換気を促すことで「3密」状態の回避へとつなげ、クラスター発生の危険性低減に貢献するとしている。
同社は、今後も社会のニーズ、市場に対応した製品の開発に取り組み、ニューノーマル時代のIoT社会に技術力・ソリューションを通じて貢献していくとのことだ。
空間可視化ソリューション「AIRSual」の構成
1. データ取得
CO2センサ、環境(温度・湿度・気圧)センサ以外にも照度センサ、環境音センサ、振動センサ、ToFセンサなども利用可能。
2. 通信
センサが取得したデータは、Edgeデバイスと無線LANを通じてリアルタイムでクラウド上に送信される。
3. 分析・予測
送信されたデータはクラウド上で分析され、その結果に基づいて適宜アラートを通知。同サービスは、独自のアルゴリズムにより高精度な予測機能を備えているため、換気が必要となるタイミングを予測通知することも可能。
インターネットに接続できるデバイスがあれば、どこからでも確認することができるという。
4. アラート
分析・予測結果に基づき、アプリ上に換気のタイミングが画像表示・音声通知で提案される。
空間可視化ソリューション「AIRSual」のメリット
簡単に設置でき、「3密」回避以外のオフィス内のさまざまな環境改善にも応用できるとのことだ。
・容易な初期設定・デバイス設置
専門知識は一切不要で、センサとEdgeデバイスの設置は3分以内で完了。
・さまざまな用途で使用可能
CO2濃度以外に照度や音をはじめとした室内の快適さの把握など、オフィス内の課題解決にも活用できるとしている。