ヤフー(以下、Yahoo! JAPAN)は、デジタルチケット販売サービス「PassMarket」において、顔認証でレジャー施設に入場できる“顔認証チケット”の実証実験を開始したと発表した。
「PassMarket」は、小規模なオンラインイベントから遊園地・テーマパークの入場券など、さまざまな電子チケットの販売・購入ができるプラットフォーム。
コロナ禍においては、チケットの購入から入場まですべてが非接触で完了できること、チケット購入のために並ぶ必要がないこと、また、施設やイベント来場者の新型コロナ感染がわかった際に他の来場者への連絡が可能なことなどから、デジタルチケットサービスの需要は高まっているという。
現在「PassMarket」のチケットは、事前にオンラインで購入し、当日はQRコードを読み取って受付・入場する形であるが、よりスムーズかつ快適な体験を目指し、ムーミンの物語を主題としたテーマパーク「ムーミンバレーパーク(埼玉県)」の協力を得て、今回“顔認証チケット”の実証実験の実施を決定。
ユーザーは、購入時に顔画像を登録したうえで専用チケットを購入し、当日は受付の認証端末に顔を向けるだけで入場が可能になるとのことだ。
“顔認証チケット”は、通常のチケットより500円引きの価格で販売を開始。
なお、現時点で顔認証チケットは実証実験段階のため、「ムーミンバレーパーク」以外では利用できないとしている。
<“顔認証チケット”購入から入園までの流れ>
(1)Yahoo! JAPAN IDでログインしたうえでPassMarketのチケット販売ページを開く
(2)顔認証利用にあたって、顔画像の利用方法等について確認して同意
(3)顔の写真を撮影して登録
(4)チケットを購入
(5)当日、施設の入場ゲートで顔を認証して入場
Yahoo! JAPANでは、顔認証のためにユーザーが登録した顔画像および認証時に撮影した顔画像を、顔認証の提供と顔認証の品質向上の目的に限って利用。
また、顔認証チケットでは、マイクロソフトコーポレーションおよび日本電気(以下、2社)の技術を利用しているため、チケット購入時にユーザーが登録した顔画像および認証時に撮影した顔画像は2社にも提供され、サービス運営等のために各社の利用規約に基づいて利用されるとのことだ。
なお、2社に提供した情報については、チケット購入時にユーザーが登録した顔画像はチケットの有効期限後速やかに、認証時に取得した顔画像は24時間程度で削除されるという。(「ムーミンバレーパーク」には顔画像は提供されない。)
以上のユーザーの情報の取り扱いについては、チケット購入時に必ず同意を得たうえで顔認証サービスを提供。
また、施設の入場ゲートでは、「ムーミンバレーパーク」の協力の下、顔認証を利用の人以外へ受付エリア周辺にポスター掲示による注意喚起や映り込み防止のための対策を徹底するとしている。
Yahoo! JAPANでは、同実証実験のユーザーからの意見、感想をもとに、安全・安心で便利な認証サービスの提供、運用ができるよう改善を続けていくとのことだ。