かんぽ生命保険(以下、かんぽ生命)は、フランス国有鉄道(以下、SNCF)が発行するグリーンボンド(1億米ドル/約108億円)への投資を実施した。

同債券発行による調達資金は、低炭素社会への移行支援に加え、コロナ禍におけるグリーン・リカバリーの推進を支援するプロジェクトに充当されるという。

なお、かんぽ生命は、同債券の発行額の全額を購入。

SNCFは鉄道のインフラ管理を行っている企業として2016年に世界で初めてグリーンボンドを発行した、フランス政府が100%出資する国有鉄道会社。

2020年までは高速鉄道の線路システムやその他の線路の管理、更新、エネルギー効率化などへの投資などがグリーンボンドの主な資金使途だったが、2021年のグリーンボンド・フレームワークの更新により、走行時に二酸化炭素等の排出ガスを出さないゼロ・エミッションの鉄道車両(水素電車など)の新規購入、整備に伴う直接的・間接的投資も資金使途の対象に加わったとのことだ。

なお、SNCFのグリーンボンドは、International Capital Market Association(ICMA:国際資本市場協会)のグリーンボンド原則に則っており、英国の非営利団体であり低炭素経済への移行に向けた投資の促進を目的とし設立されたClimate Bonds Initiative(CBI:気候債券イニシアティブ)により、温室効果ガスの排出量が少ない低炭素交通の認証を受けているという。

また、将来的なEUのGreen Bond Standard(グリーンボンド基準)にも適合する予定としている。

かんぽ生命では、生命保険会社としての社会的責任を果たすため、資産運用において「ESG投資方針」を定め、ESGの諸要素を投資判断の際に考慮することで、持続可能な社会の実現と長期的な投資成果の向上・リスク低減を推進。

また、「環境基本宣言」を掲げ、次世代へ住みよい地球環境資源を引き継ぐことを目的として、気候変動による影響に適応した事業運営に努めるとともに、地球環境への負荷低減に配慮した事業活動および環境保全活動を積極的に推進しているとのことだ。

投融資においては、ESG要素を考慮する手法の一つとして、テーマ型投資を用い、投資を行う際には、広くSDGsの目標達成や課題解決に貢献できるテーマを選択し、ESG課題の解決に有用なプロジェクトに投資を行って実施しているという。

今後もこのような資産運用を通じて、広くSDGsの目標達成や課題解決に貢献するよう積極的に取り組む方針を示している。