フジテレビ、海外ビジネス部門のDX推進 番組販売ECシステムを導入

フジテレビ

フジテレビは今、日本のテレビ局が最も注力している分野のひとつである海外ビジネス部門において、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の一環となる番組販売EC(Eコマース)システムを、日本のテレビ局として初めて導入すると発表した。

現在、海外のテレビ局や映像配信プラットフォームと行っている番組販売ビジネスを、大胆にIT化。日本の放送局で初めてインターネット上で番組の下見から販売までができるシステムを開発。

そのシステムをJET(ジェット : Japan Entertainment TV programs market)と名付け、2021年5月17日より実際の運用を開始するとのことだ。

世界中のバイヤーは、同システムに会員登録後、他のECサイトで商品を下見して買うかのように、簡単に番組を購入することができる。

フジテレビのコンテンツのトレイラーを自由に下見でき、欲しい作品を選んで、期間や地域などを入力するだけで、番組の購入から素材の受け渡し、請求書の発行まで全て同システムの中で行うことができ、言語も、英語、中国語(簡体字)を標準装備し、日本語にも対応するという。

今までの海外ビジネスでは、セラー(売り手)は、コンテンツを買ってくれる海外のバイヤーとメールで連絡を取りながら、手作業でこれらの作業を行い、番組の販売を行ってきた。

今回の「JET」は、最新のIT技術を使い、それらをオンライン上で簡単に行なえるようにし、新たな商流の開拓を目指すとしている。

この「JET」には、全話放送が終了し海外番販が可能となった最新作品『監察医 朝顔』『ルパンの娘』を筆頭に、『教場』や『コンフィデンスマンJP』、かつてアジアでも大ブームを巻き起こした『東京ラブストーリー』や『ロングバケーション』、海外でもリメイクされている『白い巨塔』など、たくさんの名作が掲載されている。

バイヤーは、それらの作品をドラマのジャンルや脚本家、監督といったキーワードから検索することができるとのことだ。

フジテレビは現在、フジ・メディア・ホールディングスのグループ会社である、フジクリエイティブコーポレーション(以下、FCC)と共同で海外へのセールスを行っている。

この「JET」の稼働により、フジテレビはこれまでのマーケティング戦略を抜本的に見直し、海外のテレビ局やこの数年で急速に増加しているインターネット上の映像配信プラットフォーム事業者とのビジネスを強力に進めていくとしている。

大手プラットフォーマーに加え、今までリーチすることの難しかった地域のバイヤーとも同システムを使いながらコミュニケーションを取り、新しいビジネスを開拓していくとのことだ。

また、同システムは、同じくグループ会社であるフジゲームスとともにシステムを開発。

今後は、過去に閲覧・契約した作品を元に、おすすめ作品や関連作品をバイヤーにAIで自動リコメンドする機能なども拡張予定であるという。

今般の「JET」のローンチでは、まずはフジテレビのコンテンツを世界中のバイヤーに販売することを目的としており、その上で、2021年秋を目標に、「セラーとして登録できる機能」を同システムに追加し、日本の他のテレビ局やアニメ会社、制作会社などさまざまなコンテンツホルダーが、「JET」を使って世界中のバイヤーに向けて自らのコンテンツをセールスできるようにするとのことだ。

そして「JET」を「映像コンテンツの総合ビジネス・プラットフォーム」として運営していく予定であるという。

結果、国内のコンテンツ産業をさらに盛り上げ、日本のコンテンツホルダーが一丸となって世界に出ていく一助となれば、と考えているとのことだ。

モバイルバージョンを終了