三菱地所・ぴあ、業務・資本提携について基本合意 ライブ・コンテンツ力の強化へ

三菱地所とぴあは、2021年5月13日、業務・資本提携について基本合意したと発表した。

1.業務・資本提携の目的

人々が心の豊かさを求める時代潮流の中で、ライブ・エンタテインメントは生活に欠かせないものとなっているという。

文化・芸術、エンタテインメントやスポーツは、何世紀にもわたって、人々に感動や喜び、勇気や活力、笑顔や刺激を与え続けてきたと同時に、多様性を受容する日本の温かい価値観を育んできたとのことだ。

感染防止を目的とした度重なる行動制限は、ライブ・エンタテインメントでしか得られない意味、人々が同じ空間で感動を共有する体験の価値に、改めて気付かされる機会ともなったという。

コロナ禍収束後の世の中においては、必ずや人々の生活になくてはならないもの(=「ライフライン」)となり、中長期的には再び大きく成長する市場領域であると見込まれるとのことだ。

三菱地所は、東京丸の内エリアや横浜みなとみらい地区をはじめとして、街づくりを通じて、人々が交流し、新たな価値を創り出す舞台づくりを行ってきたという。

昨年発表した長期経営計画では、サービスやコンテンツの提供等の新たな事業を強化し、街での体験価値を向上させることを打ち出しているとのことだ。

ぴあは、人々の心の豊かさをサポートする「感動のライフライン」の構築を標榜し、来年の創業50周年に向け、主力であるチケッティング事業から、興行の企画・主催、データを活用した顧客管理、自主メディアも用いたプロモーションまで、ライブ・エンタテインメントにおけるバリューチェーンの強化を進めている。

両社は、昨年開業した「ぴあアリーナMM」で協業をスタートしたが、ライブ・エンタテイメントと街づくりの一体化を進めることを通じ、ポスト・コロナに於いて、『街に来ること、街にいることの価値』を高め、『人々のQOL(Quality of Life)向上にライブ・エンタテインメント産業が不可欠になる』との共通認識に立ち、相互の企業価値向上をさらに進めるため、業務・資本提携について基本合意したとのことだ。

2.業務提携の内容

(1)ライブ・コンテンツ施設の経営および運営機能の強化

両社が保有・運営するアリーナ、ホール等のライブ・コンテンツ施設について、ノウハウを相互に提供し、集客力と施設のブランド力を向上させ、収益力の高い施設経営を実現。

(2)ライブ・コンテンツ力の強化

両社が共同し、魅力あるイベントの企画を行い、誘致あるいは自主興行(主催)機能を強化するという。

ぴあが強みとしてきた音楽・映画・スポーツ等の領域に加え、ビジネスとエンタテインメントが融合した領域も展開していくとのことだ。また、リアルな場での開催に加え、オンラインを活用したイベントも強化。

(3)街への波及効果とデータ・マーケティングの強化

三菱地所の強みである「街のブランド化」「エリアマネジメント」とライブ・コンテンツの魅力を融合し、ライブ・コンテンツ施設単体に留まらず、エリアにある他の施設とつなげることで、街全体の回遊効果や商業施設等の活性化、街のイメージアップを図るという。

同時に、ライブ・コンテンツと街づくりの融合を進めるため、両社はそれぞれが持つ会員データ等に基づくデータ・マーケティング力を強化するとのことだ。

(4)新規の事業獲得

両社の提携により、新たなライブ・コンテンツ施設の運営獲得、近年、各自治体等が求めているライブ・コンテンツ事業を活用した街づくりへの参画等、新たな事業機会獲得機能を強化。

(5)合弁会社の設立

提携業務を推進するため、2021年度内を目途に、両社合弁による新会社設立を予定。また、相互の人事交流も検討していく。

3.資本提携の内容

ぴあが第三者割当増資により新株680,200株を発行し、三菱地所はその全株を引き受ける形で資本参加。

第三者割当増資実施後の三菱地所の株式所有割合は、4.4%となる。

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