ソフトバンク、プロ野球の中継映像にデジタル広告を挿入 「バーチャル広告サービス」提供

ソフトバンクは、「バーチャル広告サービス」を2021年5月7日から提供すると発表した。

第1弾として、福岡ソフトバンクホークスと協力し、福岡ソフトバンクホークスの試合において同日から導入。

ソフトバンクが提供する「バーチャル広告サービス」は、スポーツの試合などのインターネット中継の映像にデジタル広告を挿入して動画配信サービス事業者へ配信し、スマートフォンなどで視聴するユーザーに広告を表示するもの。

なお、バーチャル広告が日本のプロ野球中継で導入されるのは初めてであるとのことだ。

「バーチャル広告サービス」のイメージ

5G(第5世代移動通信システム)の普及に伴う動画配信コンテンツの拡大や、新型コロナウイルス感染症拡大による生活スタイルの変化に伴い、幅広い世代において、スマートフォンなどで動画を視聴する機会が増えている。

そこでソフトバンクは、ニューノーマル時代の新たなスポーツ観戦スタイルに合わせた法人顧客のデジタルマーケティングを支援するために、「バーチャル広告サービス」の提供を開始するとのことだ。

従来、スポーツの試合中継などで広告を常時表示するには、会場内に実物の看板などを設置する必要があった。

「バーチャル広告サービス」は、システム側で中継映像にデジタル広告を挿入して配信するため、実物の看板の制作や会場への持ち込み、設置作業が不要。また、ソフトバンクの映像運用センターで映像処理を行うため、会場側で関連機材を用意する必要はないとのことだ。

デジタル技術を活用することで、広告の差し替えが容易で、複雑な広告デザインも鮮明に表示できるため、広告主は、季節やキャンペーンに合わせて視認性の高い広告をタイムリーに配信するなど、スピーディーかつ自由度の高い運用が可能。

一方、スポーツ試合などのイベント主催者は、これまで実物の看板を設置することが困難だったスペースを、新たな広告スペースとして活用することが可能になるため、収益機会の拡大につなげることができるとしている。


映像伝送システム:会場からの映像を動画配信サービス事業者などへ伝送するためのシステム
広告システム:画像認識により対象を把握して映像演出を行うシステム「Eclipse Insertion」を指す

ソフトバンクは、「Beyond Carrier」戦略の下、通信事業を基盤に、最先端テクノロジーやサービスを活用した新規事業を創出することでさらなる成長を目指している。

法人事業領域では、デジタル技術を活用して各産業分野のビジネスモデルを変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、社会課題の解決に取り組んでいる。

また、これまで、ソフトバンクは、世界的なスポーツイベントなどで、高品質で安定したネットワークを生かした映像伝送サービスを提供してきた実績もあるとのことだ。

今回、画像認識により対象を把握して映像演出を行うVizrt社のシステム「Eclipse Insertion」をソフトバンクの映像伝送サービスと組み合わせることで、新たに「バーチャル広告サービス」の提供を可能に。

今後は、他球団の試合中継やダイジェスト動画、プロ野球以外の試合中継など、幅広い分野への導入を目指すとし、将来的には、日本国内にとどまらず海外向け動画配信での展開も視野に入れているとしている。

「バーチャル広告サービス」は、デジタル広告ならではの特長を生かして、新たに創出した広告スペースで、視聴者の属性や地域に合わせて最適な広告をカスタマイズして配信するなどサービスを拡充し、デジタルマーケティング領域の開拓に挑戦していくとのことだ。

モバイルバージョンを終了