コーセーは、今回、世界が直面する社会的課題への取り組みをより一層強化するため、2020年4月に公開した「コーセー サステナビリティ プラン」へ新たに「資源循環と廃棄物削減」に関する中長期目標を追加し、「CO2削減」数値目標の上方改定等を行ったと発表した。

また、“一人ひとりに寄り添い、誰一人取り残さない”という信念をより明確にするために、“お客さまへの適応力”を意味する「アダプタビリティ」に沿った取り組みを8つの項目に整理した、同社独自の「Adaptability∞<以下、アダプタビリティ∞(エイト)>」を設定。

同時に、各種重要テーマにおけるサステナビリティ推進活動の進捗状況を公表したとのことだ。

環境課題への対応 ~新たな中長期目標の策定~

現在、気候変動や廃棄物問題等、地球環境に影響を与える様々な問題が顕在化し、グローバルレベルで持続可能な社会への転換が求められているという。

そのような中、同社グループは、SDGsのゴールである2030年に向けたサステナビリティ戦略と目標をまとめた「コーセー サステナビリティ プラン」の取り組みテーマのひとつとして「事業活動全体での環境負荷低減」を掲げ、気候変動への対応や資源循環の推進に取り組んでいるという。

今回、グローバルにおける資源循環対応の重要性を鑑み、新たに中長期目標を策定。

また、気候変動対応については、7種類の温室効果ガスのうち、同社グループが排出し得ると特定したCO2について、いずれも2018年度を基準として、自社が使用するエネルギーや電力を由来とするCO2排出量(SCOPE1・2)の削減目標を従来の28%から35%へ上方改定し、バリューチェーン全体(SCOPE3)での削減目標を新たに30%と設定したとしている。

【新規策定】 責任ある資源利用のための廃棄物削減

  • 廃棄物削減および資源循環の新規取り組み20件以上:〔2030年目標〕
  • リサイクルされない廃棄物ゼロ:〔2025年目標〕

【追加策定】 CO2排出量の削減

  • SCOPE1・2 CO2排出量 35%削減(2018年比・総量目標):〔2030年目標〕
  • SCOPE3  CO2排出量 30%削減(2018年比・総量目標):〔2030年目標〕 

アダプタブルな価値創出への取り組み

同社グループは、中長期ビジョン「VISION2026」において“一人ひとりのきれいを追求する”と掲げている。創業以来、カウンセリングによる販売を強みとするなど、「個」に寄り添った「美」の価値を提供することを企業文化のひとつとして大切にしてきたとのことだ。

私たちは、世界中の多様なお客さまに今まで以上に寄り添うために、グローバルかつユニバーサルに通用する“お客さまへの適応力”を「アダプタビリティ」という言葉に集約しているという。

また、これを、今後社会に広く「美」の価値を提供するために必要不可欠な要素であると考えてきたという。

この考え方をモノづくりなどの事業活動に取り入れるために、今回、同社グループ独自の考え方である「アダプタビリティ∞(エイト)」と総称する、“一人ひとり”を重視するための8つの項目として策定。

「アダプタビリティ∞(エイト)」を策定するにあたり、多彩な肌や髪の色・質・悩み、ハンディキャップの有無を含む身体的特徴、性別・ジェンダー、地理的・文化的背景、信条などのさまざまなバックボーンに基づき、「Physical 身体」「Mind 心・精神」「Social Attributes 社会的属性」の3つの視点で「アダプタビリティ」の根幹にある多様性を体系化。

その視点が重なり合うことで、“ありのままの自分”を尊重しながら“なりたい自分”を叶えることが両立できると考えるという。

これらの視点を具体的事例に落とし込み、「アダプタビリティ∞(エイト)」を設定。

2021年度以降、「アダプタビリティ∞(エイト)」の発想を起点に、パーソナライズに対応できる商品づくりや接客における新しい取り組みを検討していくとしている。

柔軟な適応力で、今まで以上に“一人ひとり”に配慮した商品やサービスを広く世の中に提供することで、誰もが自信を持って自分らしく、美しく生きる社会へ貢献することを目指すとのことだ。

ニューノーマルにおける新しい働き方への取り組み

同社グループは、「英知と感性を融合し、独自の美しい価値と文化を創造する」ことを存在理念としている。

急速化するグローバリゼーションと共に多様化するお客さまのニーズを的確に捉えるためには、「英知」と「感性」を発揮する社員のダイバーシティを今まで以上に高めることが重要であるという。

そのため、近年、全社横断型組織「働きがい創出実行委員会」を立ち上げて取り組みを推進するなど、多様性や創造性を高める風土改革に取り組んできたとのことだ。

2020年、新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会や企業を取り巻く環境、顧客との接点や市場ニーズは一変し、人々が働く環境は大きな変化を求められている。

一方で、それを時代が変化するスピードが速まった変革のチャンスでもあると同社は捉え、今までの延長線上にない飛躍的な成長を果たすために、ニューノーマルにおける新しい働き方の方策を定めたとしている。

その中では、これまでのやり方を変えていくべきこと、変わらずに大切にして強化していくべきことを明確にしたという。

また、3つの視点(上部図内、右下部分)から、柔軟な働き方の制度設計や就業環境の整備、企業風土の醸成などに取り組んでいるとのことだ。

その取り組みの一環として、2020年に東京・日本橋本社内に開設した多目的スペース「KoCoLabo(ココラボ)」では、様々な部署や異なる職種の交流を通じて社員同士が刺激し合い、多面的な見方や柔軟な発想が養われることを設置目的のひとつにしているという。

今後、オフィスで就業する社員に加え、ビューティコンサルタントが蓄積してきた、一人ひとりの利用s客を尊重するための知見を新たな提供価値に活かす取り組みや、さらなるデジタル活用による新たなコミュニケーション手法、コラボレーション施策の導入など、多様で多彩な人材の「英知」と「感性」を最大限に発揮することで、これまでにない新たな価値創出と、さらなる高付加価値化を目指すとしている。