「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム」発足 KDDIや富士通ら参画

キリンホールディングス、KDDI、コクヨ、富士通、パーソルキャリア、三井情報、ヤフー、LIFULLの8社は、「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム」を、2021年4月20日に発足したと発表した。

同コンソーシアムでは、「個人の主体的なキャリア形成が、企業の持続的な成長につながる」という考えの下、業種や業界を越えて「はたらく個人と企業の新しい関係」を模索する企業が集まり、「キャリアオーナーシップ人材を活用し、企業の中長期的な成長を生み出していくには、どうしていくべきか?」という問いについて、議論・実践・検証を行い、各社内および社会に対して提言をしていくという。

コンソーシアムの顧問・ファシリテーターには、田中 研之輔 法政大学キャリアデザイン学部・大学院教授が就任。

8社が発足メンバー企業として参画し、企業と個人の成長を両立させるための議論や提言、参画企業間の副業による人材の越境体験といった個人の主体的なキャリア形成をサポートする実践・検証を行っていくとのことだ。

人生100年時代の中、年功序列や終身雇用が限界を迎え始め「はたらく」をとりまく社会環境は激変している。

これまでのような画一的な働き方ではなく、多様な個人のニーズに対応した、働き方や人材育成、雇用モデルの変革は、もはや日本社会において待ったなしの必須課題となっているとのことだ。

こうした状況の中で、一人ひとりの個人が、自律的に成長し続けるために不可欠なのが「キャリアオーナーシップ」であるという。

はたらく個人の力を最大化させ、社会の力にするために、企業は個人とどう向き合い、新たな関係性をつくっていくべきなのか、まだ答えのない問いに対し、先駆的に取り組む企業が自ら実践・実証し、企業と個人の持続的な成長を実現する「はたらく未来」を模索していくのが同コンソーシアムであるとしている。

■ キャリアオーナーシップについて

「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」報告書(経済産業省、2018年)では、キャリアオーナーシップについて「個人一人ひとりが『自らのキャリアはどうありたいか、如何に自己実現したいか』を意識し、納得のいくキャリアを築くための行動をとっていくこと」と説明されている。

また、「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書~ 人材版伊藤レポート ~」(経済産業省、2020年)では、これからの個人と企業の関係性について、「企業は、画一的なキャリアパスを用意するのではなく、多様な働き方を可能にするとともに、働き手の自律的なキャリア形成、スキルアップ・スキルシフトを後押しすることが求められる。」と指摘するとともに「個人は、キャリアを企業に委ねるのではなく、キャリアオーナーシップを持ち、自らの主体的な意思で働く企業を選択することが求められる。」と報告されている。

■ コンソーシアムのゴール/目指す社会の状態

同コンソーシアムでは、キャリアオーナーシップがより広く定着し、キャリアオーナーシップ人材を育てようとする企業が増え、個人と企業が互いの成長に貢献し合う関係性へ変わっていく事で、よりよい社会・はたらく未来の実現に貢献していくという。

■ コンソーシアムの概要

名称:キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム
設立:2021年4月20日
参画企業:キリンホールディングス、KDDI、コクヨ、富士通、パーソルキャリア、三井情報、ヤフー、LIFULL (2021年4月20日時点 五十音順)
顧問・ファシリテーター:法政大学キャリアデザイン学部・大学院 田中研之輔教授
運営事務局:パーソルキャリア

活動内容:
個人と企業の成長を両立する「はたらく未来」に必要なことについて、先進的に取り組んでいる企業の実践知を集約し、社会実装を前倒ししていく。

●研究会
個人と企業の成長を両立する先進的な企業の実践知を集約し、コンソーシアムで議論し、気づきと企業への提言をまとめ、各社の経営会議で報告するほか、外部に公開。
なお、2021年度は以下のフェーズに分けて議論し、その成果を社会に対して公開していくとのことだ。
–  Phase①現状分析「企業価値向上のための新人材戦略を考える」(2021年4月~7月)
–  Phase②戦略設計「生産性・競争力向上のための新人材戦略を考える」(2021年8月~11月)
–  Phase③未来構想「2025年に向けた新人材戦略を考える」(2021年12月~2022年3月)

●実践・検証
参画企業間で議論して実践内容を決定し、各社で実践し、その結果を検証。
【実践・検証内容の例】
–  参画企業間で副業による人材の越境を行い、業務遂行にどのような影響があるのかを検証するなど、企業価値向上と個人の成長を両立する働き方の実践・検証を行う。
–  個人研修プログラムを開発し、参画企業社員がプログラムに参加。業務遂行や個人の成長にどのような影響があるのかを検証する。

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