エイベックス、NFT事業に本格参入 IPホルダーの著作権等の権利保護へ

エイベックス・テクノロジーズ(以下、ATS)は、同社が開発したブロックチェーン技術を活用してデジタルコンテンツに真正性を持たせるNFT事業基盤「A trust(読み:エー トラスト)」の提供を開始し、IP(Interectual Properties)ホルダーの著作権等の権利の保護とデジタルコンテンツの流通を目的に、NFT事業に本格参入すると発表した。

昨今、NFTを活用したデジタルアートが数十億円で落札されるなど、デジタルコンテンツの新たな市場が世界中で急拡大している。

しかし、急拡大しているNFTの市場は、その多くが投機性が高く暗号通貨で取引されていることから、IPホルダーが提供するデジタルコンテンツを楽しみたいファンの参入障壁となっていたり、IPホルダーが許諾していないNFTが勝手に流通したりといった課題も散見されるとのことだ。

ATSは、正規のIPホルダーが保有するデジタルコンテンツの著作権等の情報を一元管理する次世代型著作権流通システム「AssetBank(読み:アセットバンク)」の試験運用を2021年4月13日に開始。

この「AssetBank」と、ATSが2019年7月に開発したNFT事業基盤で、ブロックチェーン技術を活用して証明書を付与し、真正性を持たせたデジタルコンテンツを流通させる「A trust」を連携させることで、ファンは著作権等が侵害されていない正規のデジタルコンテンツを法定通貨で安心・手軽に購入できるようになるとしている。

NFTという新たなデジタルコンテンツの価値創造の流れは、今後のエンタテインメント市場においても無限の可能性を秘めている。

ATSは、IPを活用してエンタテインメント事業を展開するエイベックスのグループ企業として、現状の課題と向き合い、デジタルコンテンツ市場の活性化を目指すとのことだ。

【「A trust」の実装例】

世界175か国で170万以上のオンラインストアが日々運営されているマルチチャンネルコマースプラットフォーム「Shopify(読み:ショッピファイ)」を利用して、バーチャルフィギュアの販売ショップ「ARSHOP」を構築し、「A trust」証明書付きのバーチャルフィギュアを販売。

「ARSHOP」で購入したバーチャルフィギュアは、iOS/Android対応アプリ「ARSTAGE」上で遊ぶことが可能であるという。

将来的には、この仕組みを様々なIPホルダーやIPを展開する事業者が利用できるようにし、「A trust」を利用したデジタルコンテンツの販売ショップを「Shopify」で簡単に構築することが可能になる。

これにより、IPのファンは、販売ショップで法定通貨による決済が可能になり、簡単にデジタルコンテンツを購入できるようになるとのことだ。

また、購入したデジタルコンテンツを「Atrust ID」対応済みのアプリで利用することが可能になるという。

今後は、「A trust」のユーザー間取引の仕組みや、パブリックチェーンへの接続・利用など、デジタルコンテンツ流通における利便性や有用性を高める様々な取り組みを行っていくとしている。

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