製造業のDXから生産ラインの開発・実装までを包括的に支援するコンソーシアム「Team Cross FA(チームクロスエフエー)」の幹事企業である、FAプロダクツは、新型コロナウイルスワクチン集団接種を円滑に進めることを目的に、リソース最適化検証モデルを開発したと発表した。
ワクチン集団接種における課題
2021年4月12日より、65歳以上の高齢者を対象に、新型コロナウイルスのワクチン接種が開始される。
現在、各地域で集団接種に関する準備や訓練が行われており、医師や看護師の人手不足、ワクチンの保管方法など、さまざまな課題が顕在化しているとのことだ。
その中でも、各自治体が解決しなければならない課題として、ワクチン集団接種の運営が挙げられている。
この課題に対して、各自治体は、運営方法を実際の会場で自治体職員を動員することで模擬訓練をしており、接種会場についても、地域の診療所や高齢者施設、職場など、さまざまな場所を想定して模擬訓練が行われているとのことだ。
ワクチン集団接種の最適な計画立案を可能にするリソース最適化検証モデルを開発
「ワクチン集団接種の最適な計画立案」および自治体や診療所、施設の職員を動員して、準備に数日、検証当日に1日かけて行う「模擬訓練の負担軽減」を目的に、リソース最適化検証モデルを開発。
この検証モデルは、Team Cross FAが持つコンピュータ上に仮想の工場を構築し、生産を再現することで様々な現象を検証・分析する離散系シミュレーションの技術を応用し、開発したという。
同モデルを導入することで、各自治体はワクチン集団接種会場の運営をデジタル上で予行演習することが可能になる。その結果、準備や検証、模擬訓練に要する時間を大幅に短縮することができるという。
さらに、シミュレーション結果をもとに行う模擬訓練実施後に、訓練の実績データをモデルに取り込むことで、接種計画のさらなる改善に生かすことが可能とのことだ。
■リソース最適化検証モデル導入のメリット
- 都道府県/市町村単位での全体最適を実現した接種計画の立案が可能
- 各種会場(集団接種会場・診療所など)数、1日の来場人数、待合場所の広さ、スタッフの人数等を変更することで、複数パターンをシミュレーションして、比較検討することが可能
- 模擬訓練の結果をデータに反映することで、計画の精度向上が可能 など
■シミュレーションで分析できる事項
- 1日あたりのワクチン接種可能人数
- 医師、看護師およびスタッフ必要人員
- 待合場所に必要なスペース(広さ)
- 通路、導線に必要なスペース(広さ) など
■ワクチン集団接種検証において、訓練とリソース最適化検証モデルとの比較
■リソース最適化検証モデルの画面イメージ