中外製薬は、世界血友病連盟(WFH: World Federation of Hemophilia)が推進する世界血友病デーの趣旨に賛同し、昨年に引き続き社内外で疾患啓発活動を展開すると発表した。
世界血友病デーは、血友病をはじめとする先天性出血性疾患のコミュニティの連帯を促す日であり、疾患への理解の向上や、より良い治療の実現などを目的としている。
本年は、“Adapting to Change(変化への適応)”をテーマに、世界各地でさまざまな活動が展開されるという。中外製薬では、専門医によるラジオ対談(全国6地区)、ストーリーを楽しみながら運動できるダンス漫画の公開、また、血友病の人を招いた社員向け講演会を実施するとのことだ。
血友病は、血液凝固因子の欠乏もしくは機能異常により、出血した際に血液凝固反応が正常に進まず止血までに時間がかかる疾患。特に関節などで出血を繰り返すことで機能障害を起こすことも知られている。
現在は、治療法の進歩により健康な人と変わらない生活を送れる人も増えてきており、日常的に適度な運動をすることも推奨されているとのことだ。
一般の人が血友病への理解を深められるよう、世界血友病デーの4月17日に、全国6地区のラジオ局において、各地の血友病治療をリードする専門医と番組パーソナリティの対談を放送。
血友病に関する基本情報を伝えるとともに、血友病の人々のより良い生活と幸せを願い、夢ややりたいことを実現してほしいというメッセージを込めた対談内容とし、ニッポン放送では、血友病の人自身も出演するとのことだ。
また、血友病の子どもたちにおいては、出血リスクへの懸念から、運動を始めるきっかけをなかなかつかめないことが課題となっているという。
この解決の一助となることを目指し、誰でも気軽に運動に取り組めるきっかけづくりを目的として、2020年に子ども向けのダンスコンテンツを制作し、血友病の人とその家族を対象としたウェブサイト「Smile-On」で公開。
本年は、一歩進めた取り組みとして、同ダンスの動きをストーリーを通して楽しみながら身に着けられる漫画コンテンツを公開。
あわせて、初の取り組みとして、「患者中心」の価値観のもと、血友病の人々を取り巻く状況を社員がより理解し、一人ひとりの行動へと繋げるため、血友病の人を招いた社員向け講演会を実施するとしている。
中外製薬は2030年に到達したい「ヘルスケア産業のトップイノベーター像」のひとつに、社会課題解決をリードする企業として「世界のロールモデル」となることを掲げている。
今後も革新的な医薬品の創製とともに、社員一人ひとりが患者の幸せに貢献するためになにができるかを考え、継続的に疾患啓発活動等に取り組むことで、社会課題の解決への寄与を目指していくとしている。