アメリカ発GPS機器のパイオニア、ガーミンジャパン(以下、Garmin)は、4月下旬以降に対象のウェアラブルデバイスで、「血中酸素トラッキング」機能への対応を順次開始すると発表した。
同機能は、ランニングやゴルフ、サイクリングなど様々なアクティビティに対応したウェアラブルウォッチで、血液中に取り込まれた酸素レベルを測定することにより、より効果的にフィットネスのパフォーマンス向上やウェルネスライフのサポートに役立てることができる。
1. 開始時期
2021年4月下旬以降順次 機種によって対応開始日が異なる場合がある。
2. 血中酸素トラッキング機能について
血中酸素トラッキングでは、血液中に取り込まれた酸素のレベルを手首で測定することができる。
Garmin製品、血中酸素トラッキングによる測定は、医療目的で使用されることを意図するものではなく、あくまで一般的なフィットネスとウェルネスの範囲で利用することを目的とするものであるという。
血液中に取り込まれた酸素レベルを知ることは、疲労と回復のパラメータとなることで運動を続けるか休憩をとるかの判断を助けたり、パフォーマンスやフィットネスレベルの向上の基準にもできる。
血液中に取り込まれた酸素のレベルは、通常95%以上となる場合が多いが、ロケーション、アクティビティ、個人の状態によってその数値は異なる。
睡眠中は特に腕の位置や、腕が体の下敷きになるなど血流に支障をきたすような姿勢になっていると、測定値が実際の値よりも低く表示されることがあるとのことだ。
3. 血中酸素トラッキングの仕組み
該当スマートウォッチ製品では、赤色LEDライトと赤外線ライトを利用することで、血中ヘモグロビンのライトの吸収状態をデバイスの裏に備え付けられたセンサーで読み取り、血中酸素トラッキングデータをデバイスの画面上で表示。
4. 血中酸素トラッキングの特徴
同機能ではユーザーの血中酸素レベルの推定値を提供。
血中酸素トラッキング値の計測は該当スマートウォッチを使用することで、デバイスを装着している間は測定したい時のみ、または睡眠中など継続的に測定することが可能。
特定のデバイスでは、ユーザーがいる現在の高度または高度のビューとともに、1日を通して定期的に追跡することもできるとのことだ。
動作中の測定、デバイスの装着状態、または使用環境下の他ライトの影響などにより、正確な数値が測定されないことも考えられる。
Garmin製品とこの機能は医療目的での利用を意図したものではないが、より正確なデータ測定を可能にするため、常に最新のソフトウェアに更新されること推奨するとのことだ。
5. ヘルスサイエンス
Garminのウェアラブルデバイスは、血中酸素トラッキングのセンサーを使用して血中酸素レベルを表示。私たちの心臓血管系は、体全体に酸素を分配する役割を担っている。血中酸素トラッキング値は、フィットネスとウェルネスにおいて参考となるデータのことで、一般的に、通常血中酸素レベルは95〜100%で、90%未満は低値とされている。
高地での活動に参加する場合、血中酸素は身体の順応状態の参考となり、高度の変化に伴う血中酸素の増減を追跡するのに役立つという。また、普段の生活のなかで身体的パフォーマンスに関する洞察を得ることができ、個人の健康の長期的な傾向も追跡できるとのことだ。
6. ウェアラブルサイエンス
血中酸素は、運動能力に影響を与えるだけでなく、睡眠の質にも影響を与える可能性がある。
血中酸素トラッキングは、フィットネスとウェルネスの範囲で身体の適応や反応を見ることのできる機能の1つ。
血中酸素レベルを知ることで、体調を評価し、フィットネスの目標を立てたり、適切なトレーニング強度を決定することが可能になる。例えば急激に変化する高度で野外活動をしている場合、変化の状況によって体がどのように反応しているかを知ることができる。また、この数値を心拍数データと組み合わせることで、運動プログラムの有効性を評価するのに役立つとのことだ。
さらに、このデータを活用し、睡眠時間やレム睡眠、睡眠中の身体の動きなどのデータをより深く理解することもできる。
なお、血中酸素トラッキング対応機種は以下(2021年4月6日時点)。
ForeAthlete 945/745/245シリーズ/VENU/VENU SQシリーズ/vivoactive 4/4Sシリーズ/Legacyシリーズ/vivomove 3/3Sシリーズ/vivomove Style/Luxeシリーズ/vivosmart 4/Approach S62/MARQ/fenix 6シリーズ/Quatix 6X/Enduroシリーズ/fenix 5X Plus/Instinct Dual Powerシリーズ/Descent Mk2/Mk2i/Lilyシリーズ