JALは、3つのデジタル証明書アプリ「コモンパス」・「VeriFLY」・「IATAトラベルパス」について、JAL運航便での利用に向けて実証実験などの取り組みを開始すると発表した。
デジタル証明書アプリは、新型コロナウイルス感染症の検査結果などを、スマートフォンをはじめとした各種デバイスに表示可能で、安全な情報管理を前提としてさまざまな国との往来に不可欠であるとの考えのもと、関係機関とともに協力し、以下の実現を目指すとしている。
- 医療機関が発行した新型コロナウイルス感染症の検査結果や、渡航先の入国要件・渡航資格などを、ユーザーのスマートフォンなどの各種デバイスにて確認できるデジタル証明書アプリの導入と普及
- デジタル証明書アプリを利用した非接触、非対面でスムーズな搭乗手続き（自動チェックイン）
- デジタル証明書アプリによる到着国での検疫通過など利用シーンの拡大
【各デジタル証明書アプリとの取り組みの概要】
■コモンパス
【特徴】スイスの非営利組織であるコモンズ・プロジェクト（The Commons Project）が世界経済フォーラムの連携で推進。医療機関から発行される検査結果が受入国の入国基準を満たしているかをコモンパスが検証し、検査結果をデジタル証明する仕組み。
【実証実験概要】
対象便：
4月2日JL074便（羽田発21:00ホノルル着09:30）
4月5日JL711便（成田発17:55シンガポール着翌00:20）
実施内容：
東邦大学羽田空港第3ターミナルクリニック（ハワイ州の指定医療機関）からアプリへのPCR検査結果の連携および空港チェックインカウンターでの確認などを実施。
■VeriFLY
【特徴】生体認証技術による本人認証のサービスを展開しているアメリカのDaon社が開発したアプリで、アメリカの一部路線では既に導入されている。
ユーザーは、検査結果などの登録や渡航先の入国要件に合わせた準備書類などの確認を、事前に参照・入力・管理でき、登録した情報に基づく渡航資格をアプリ画面に表示させ、チェックインカウンターにて提示することで、搭乗手続きをスムーズに進めることが可能となる。
【今後の取り組み予定】
JALが運航する日本=北米の一部路線にて、「VeriFLY」を利用した搭乗手続きを4月下旬より開始予定。
■IATAトラベルパス
【特徴】IATA（国際航空運送協会）が推進しており、当社を含む世界23社の航空会社が実用化に向けた取り組みに参加。
また、同社は3月15日よりIATAトラベルパスの試験導入プロジェクトに参画している。医療機関から検査結果などを受領する仕組みと、結果を踏まえて入国要件を満たしているかの検証ができるようになるという。
【今後の取り組み予定】
5月下旬より一部路線で試験導入を予定。パスポートを利用した本人認証、医療機関からアプリへのPCR検査結果が連携でき、アプリ画面での渡航先入国要件の閲覧、空港チェックインカウンターでの渡航資格の確認などができるようになる予定とのこと。
今回取り組みを開始する3つのアプリのうち、現在開発中の「コモンパス」と「IATAトラベルパス」は、安全な情報管理と世界共通の規格となることを目指しており、将来世界中のさまざまな空港で利用できる可能性があるという。
また、「VeriFLY」は、アメリカの一部の路線で既に実用化されており、安全な情報管理に加えて早期導入が可能。
それぞれ特徴をもつデジタル証明書アプリと連携を進めることで、ユーザー一人一人のニーズに応えながら、安全・安心でスムーズな渡航の実現に向けて取り組んでいくとしている。