YouTubeは、Responsibility(コミュニティを守る責任)の取り組みの一環として、『ネット上の嫌がらせ、いじめの問題についてYouTubeと一緒に考えよう。』を公開したと発表した。
コミュニティを守る責任(Responsibility)に対して継続的に取り組むことがYouTubeの優先事項であるという。
YouTubeは常に、開かれた場であること(Openess)とコミュニティを守る責任(Responsibility)のバランスを保つことに注力。
開かれた場であり続けるために、多様性のある意見を受け入れられるよう取り組む一方で、現実世界にも害を及ぼす可能性があると専門家が指摘するコンテンツを削除し、信頼できるコンテンツを見つけやすくし、ガイドラインのボーダーライン上のコンテンツの情報の拡散を減らすほか、厳格化された収益化の基準を満たすクリエイターに報いる取り組みを行っているとのことだ。
今回、そうした取り組みの一環として、『ネット上の嫌がらせ、いじめの問題についてYouTubeと一緒に考えよう。』を公開。
この動画では、クリエイターグループ48-フォーエイトとYouTubeの最高製品責任者であるニールモーハンの対談を通じて、ユーザーやクリエイターが疑問に思う、ネット上での嫌がらせやいじめの問題に関するYouTubeの考え方や取り組みについて紹介している。
また、48-フォーエイトメンバーは、自身の体験を共有し、一人一人が継続的に考え取り組んでいかなければいけない重要な問題であるといった思いも語っているとのことだ。
48-フォーエイトは、10代から20代の男女8名で構成されるクリエイターグループで、昨年6月に誹謗中傷問題について警鐘を鳴らすドラマ「あなた、私。〜BeforethatFuture〜」を制作し、その動画の視聴回数は150万回以上にのぼる。
48-フォーエイトからYouTubeへの質問には、YouTubeが定めているポリシーが作られる過程や、世界で共通して適用されるポリシーをどうやって日本の文化や言語を理解しながら運営しているのか、またクリエイターや視聴者を守るための新機能についてなど幅広い内容が含まれているという。
そしてクリエイターとしてどのように考えているかについても、メンバーの真剣な思いを語っている。
ネット上でのいじめや嫌がらせについて、これまでもYouTubeでは厳しく取り締まってきた。
しかし、インターネット全体で見ても、今後も継続してこの問題に向き合う必要があることは明確であるという。YouTubeは、法務省人権擁護局、総務省、一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構、一般社団法人セーファーインターネット協会が主催する「ハートがなけりゃSNSじゃない!#NoHeartNoSNS」キャンペーンに参加し、広く業界全体でこの問題に向き合っていくとのことだ。
一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構 代表理事 宍戸常寿氏は以下の通りコメントしている。
「誹謗中傷をなくしていくためには、政府、企業、そして私たち一人一人が、自分にできることが何かを考えて行動し、協力して取り組んでいくことが、必要です。
一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構の代表理事として、会員社であるグーグル合同会社のYouTubeが、素晴らしいクリエイターのみなさんとともに、このような動画を作成していただいたことを、とても嬉しく思います。
今後もインターネットやソーシャルメディアの健全な発展を図りつつ、便利で快適な社会の実現に向けて、同社とも連携しながら取り組んでいきたいと思います」
また、総務省消費者行政第一課も以下の通り述べている。
「総務省は、関係省庁や事業者団体と共同で、「#NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃSNSじゃない!)」のスローガンの下、インターネット上の誹謗中傷問題の対策に取り組んでいます。
この問題を解決するには、利用者1人1人が、ネットの向こうには心を持った人間がいること、サービスを利用するにはルールを守る必要があることを認識することが大事です。そのためにも、サービスを提供する事業者が、この動画のように積極的にメッセージを発信することは大きな意味があると考えています。
総務省としても、引き続き、こうした取組が広まり、社会全体における情報モラルやICTリテラシーが高まるように取り組んでいきます。」
今後も、クリエイターと視聴者が、より安全に、楽しくYouTubeを利用できるよう取り組みを継続していくとのことだ。