メディアプラットフォームnoteは、文部科学省による教師の採用広報を目的としたプロジェクト「#教師のバトン 」へ法人向けサービスnote proを提供開始したと発表した。

現在、教師の長時間労働などが問題となる一方、学校現場では働き方改革やICT活用などが進みつつあるという。教職を目指す人々に最新の実態を知ってもらうべく、文部科学省は「#教師のバトン 」プロジェクトを3月26日に始動。

現職教師から、働き方改革や業務改善の取組事例、失敗から学んだこと、教師をやっていてよかったと思う瞬間をnoteや他のSNSでハッシュタグ「#教師のバトン」をつけて募集するという。

プロジェクトのnoteアカウントでは、集めた投稿内容の紹介や学校現場での働き方改革に向けた最新の動きをわかりやすく解説する記事を投稿予定であるとのことだ。

noteでは、今後もあらゆるクリエイターの発信を後押ししていくとしている。

背景

学校が抱える課題が複雑化・困難化する中、教師の長時間労働や教師不足、公立学校教員採用選考試験の採用倍率の低下が問題となっている。

平成18年と比較して、平成28年には平日・土日ともに、いずれの職種でも勤務時間が増加 。令和2年度の公立学校教員採用選考試験では、小学校教員の採用倍率は過去最低の2.7倍、全体の倍率も前年度から減少した結果となった。

一方で、学校現場では、働き方改革やICTなどを活用した新しい教育実践例、部活や探究学習などでの外部人材の活用事例なども進みつつある。文部科学省としては、教師をめざす人々にこのような実態が知られていないことも課題のひとつであるとのことだ。

課題解決にむけ、学校現場での改革の実態や、現職の教師が前向きに取り組んでいる姿、時代に対応した制度改革などを、教職を目指す学生や社会人に知ってもらうためのプロジェクト「#教師のバトン」を始動。

情報発信手段のひとつとして、noteを活用することとなったとしている。

なお、noteを発信手段とする理由として以下が挙げられている。

●書き手も読み手も集まる場所
noteは、会員登録者数が約260万人(2020年5月時点)、サービス開始以降 累計約870万件の作品が投稿されている。多くの利用者(クリエイター)が集まっているnoteで情報発信することで、教師を目指す学生や社会人にも広く情報を届けることができる。

●長文でも読まれやすい
一般的にSNSには文字数制限があり短くまとめる必要があるが、noteでは長文の投稿も可能。また、noteには広告やページの分割もなく、長文でも読みやすい設計のため、具体的な説明や教育に対する熱い思いをたっぷり伝えることも可能。

文部科学省「#教師のバトン」プロジェクト 担当者からのコメント

教師をとりまく環境が厳しさを増す中、文部科学省では、社会全体で教師を応援する雰囲気をつくり、教職を目指す方の準備に役立てていただくための場が必要と考えました。

公式「note」では、#教師のバトン のついた皆様の投稿の中からピックアップした投稿をご紹介するほか、教師を目指す方々に、教職に関する様々な制度や、改革に向けた最新の動きをわかりやすく解説する記事なども予定しています。

なお、同アカウントは法人向けサービス「note pro」を利用。自治体や学校、文化施設にはnote proを無償で提供中であるとのことだ。

noteで発信予定の内容

noteや他のSNSで「#教師のバトン」のハッシュタグがつけられた投稿や、文部科学省の特設フォームに寄せられた投稿から、事務局がピックアップした投稿をまとめて紹介。

また、学校ですでに進みつつある働き方改革やICTなどを活用した新しい教育実践例。部活や探究学習などでの外部人材の活用事例、教職にまつわるちょっと複雑な制度など、改革に向けた最新の動きをわかりやすく解説する記事も予定しているとのことだ。