LIFULLと新潟県佐渡市は、3月25日に佐渡市の地域経済の活性化を目的に、空き家等の利活用等を通じた地域活性化連携協定を締結したと発表した。

佐渡市は、人口約5万人、離島としては日本第2位の面積を持ち、世界遺産登録を期待されている金銀鉱山がある唯一の島。

また、絶滅危惧種のトキをはじめ、佐渡小木海岸、平根崎波食甌穴群、小木・御所サクラなど多くの天然記念物を有しており、豊かな海洋資源と豊富な水源を利用した稲作も盛んであるという。

2020年3月には施策方針として「観光地域づくりの推進」「佐渡活性化に向けた地域づくり」を掲げ、佐渡DMOと連携した交流人口の拡大や、佐渡島内の飲食店等で利用可能な地域通貨のリリース、佐渡UIターンサポートセンターによる移住・定住支援体制の強化などを行ってきたとのことだ。

しかしながら、未だ続く人口減少により今後も地域の空き家は増加していくと予測され、景観の悪化および地域経済の縮小が懸念されている。

そのため、空き家やその他遊休施設を利活用していくことで、都市部企業および人材の誘致、地域の魅力創出などを通じた地域の活性化、持続可能な都市づくりにつながる取り組みをより一層進めたいと考えているとのことだ。

一方、LIFULLグループは、不動産・住宅に関する知見をもとに、「LIFULL地域創生ファンド」による投資事業、国土交通省の採択事業でもある「LIFULL HOME’S空き家バンク」の運営を行っている。

これまでに、全国11か所の自治体と連携協定を締結し、空き家の利活用を軸とした地域おこしを支援してきた。

また、都市部のフリーランスや企業などが参画する共同運営型コミュニティ「LivingAnywhere Commons」を運営し、全国11か所の拠点を展開し、地域でのテレワーク環境の整備および関係人口の構築を推進。

同協定では、佐渡市における空き家、空き地、その他遊休不動産を利活用した移住・定住を含む関係人口の創出および企業誘致の充実を図るため、この分野において専門的知識や情報ネットワークを持ったLIFULLと連携することにより、空き家情報の掘り起こし、地域情報の全国的な発信、関係人口の構築、物件活用やコミュニティ醸成のための地元人材の養成や外部人材とのマッチングなどを目指すとしている。

両者が相互に連携・協力することで、佐渡市における空き家等の利活用推進モデルを構築し、佐渡市の地域社会および地域経済の発展に貢献していくとのことだ。

◆同協定に基づく協力事項
(1)空き家等の情報の掘り起こしに関すること
(2)空き家等の情報の集約化・発信に関すること
(3)空き家等の利活用に関すること
(4)コワーキング施設、ワーケーション拠点の整備に関すること
(5)都市部人材、企業との関係人口構築に関すること
(6)第1号から第5号に関して推進する人材の育成に関すること
(7)その他、地域活性化の促進に関すること

◆LIFULLとして取り組むこと
(1)活用可能な空き家等を掘り起こすためのセミナー、その他の啓蒙活動
(2)LIFULL HOME’S空き家バンクを通じた空き家等の情報発信
(3)空き家等を活用した移住お試し住宅、宿泊施設等の開発
(4)空き家等を利活用したワーケーション施設の開発
(5)「LOCAL MATCH」を通じた地域情報の発信
(6)空き家等の掘り起こしから利活用までを推進する人材の育成
(7)その他、空家等を活用した事業の創出支援