帝国ホテルは、3月25日開催の取締役会において、帝国ホテル東京の建て替え計画の実施方針を決定し、これに伴い、三井不動産との間で、帝国ホテル東京の建て替え等に関連した共同事業に関する基本合意書を締結したと発表した。
なお、同計画の最終的な実施にあたっては、都市計画法、建築基準法その他の関係諸法令に従った許認可等が得られること、及び近隣の権利者等の関係諸機関との合意が成立することが前提になるとしている。
そのため、必要な許認可等が得られない場合や、関係諸機関との合意が成立しない場合には、同社は最終的に同計画を実施しない可能性があるとのことだ。
建て替え対象となる建物の所在地は、東京都千代田区内幸町一丁目1番1号。
建て替え対象となる建物は、帝国ホテル東京 本館、タワー館及び駐車場ビル(延床面積合計 239,780 ㎡)。
現在はコロナ禍で経営環境は厳しく、先行きが不透明ではあるものの、日本を代表するホテルとしての社会的使命をこの先も引き続き全うしていくべく、アフターコロナを見据えた将来性のある企業価値向上への取り組みとして、今回、建て替え計画の実施方針を決定したという。
なお、顧客の利用環境を絶やさず、また雇用とノウハウを維持し、帝国ホテルの歴史を継承していくためにも、建て替え期間中も帝国ホテル東京としてのホテルの営業は継続することを計画しているとのことだ。
総事業費規模は、概算で、約 2,000億円から約 2,500億円程度を見込む。
同社は、2007年に三井不動産の資本参加を受けた際に基本協定書を締結し、以降、友好的なパートナーとして将来的な再開発をともに検討してきたという。
タワー館の建て替えについては、三井不動産の知見及びノウハウを建て替えに活用するとともに、同計画の実施に伴う財務的な課題を解決すること等を目的に、三井不動産との共同事業として行うことを目指しており、同計画の検討実施を決定したことに伴い、この共同事業に関して、三井不動産と基本合意書を締結したとの経緯を示している。
共同事業の概要は以下の通り。
・同社と三井不動産は、両社の経営資源、経営ノウハウ等を最大限に活用し、相乗効果を発揮させ、比類なき街づくりを北地区においても実現。
・同社は、現タワー館を解体後、敷地を分筆した上で、その土地の共有持分の一部を三井不動産に譲渡し、その後、共同で新タワー館を建設。
・同社は、現本館を解体し、本館土地上にホテル用途の新本館を建設し、所有、運営。
譲渡価格は未定としているが、分筆後の土地の価格を1坪当たり約 59.7 百万円/坪として算出された金額にするとのことだ。
新タワー館を、オフィス、商業、サービスアパートメント等の大規模な複合用途の建物として建設することを検討しているが、その実現には、大規模な不動産開発に豊富なノウハウと実績等を有するデベロッパーである三井不動産の参画が必要と判断し、譲渡を決定したとしている。
同社は、同計画については、今後の関係諸機関との協議や同計画の詳細決定等により変更されることが予定されているため、同計画が同社の業績に与える影響は、現時点では未定とした上で、影響が判明次第、速やかに知らせるとしている。