ANAと豊田自動織機は、3月29日から4月2日の5日間、新開発の自動運転トーイングトラクターによる貨物搬送を想定した実証実験(自動運転レベル3相当)を、羽田空港の制限区域で初めて実施すると発表した。
両社は、2019年2月から九州佐賀国際空港および中部国際空港において、自動運転トーイングトラクターの実用化に向けた、実証実験ならびに試験運用を重ねてきた。
その成果を踏まえ、多くの航空機や複数種の空港支援車両が混在する国内最大の羽田空港においても、トーイングトラクターが安全かつスムーズに自動走行するための検証を行うという。
今回の実証実験では、豊田自動織機が新たに開発した自動運転トーイングトラクターを導入する。
新型車は、取り扱い貨物が多く、走行条件の厳しい羽田空港での運用に対応するため、高精度な屋内外シームレス自動走行を実現する自己位置推定性能を有し、けん引重量の増加や坂路走行にも対応可能な走行性能を実現させた。
さらに、豊田自動織機開発の樹脂ウインドウをキャビン部分に採用し、車両の安全性・デザイン性を兼ね備えるとともに、軽量化をはかったという。
羽田空港での今回の実証を通じ、大規模空港における運用面での課題を抽出し、今年10月からの実運航便での試験運用へとつなげていくとしている。
ANAと豊田自動織機は、国土交通省による航空イノベーション推進の一環として、生産年齢人口減少に伴う労働力不足等に対応するため、2025年の無人搬送(自動運転レベル4相当)の実現をめざし、自動運転トーイングトラクターの取り組みを進めている。
今後、両社の連携をさらに強化し、空港オペレーションのSimple&Smart化に向けて、新技術の開発や実用化の取り組みを加速してまいくとのことだ。