日本航空(以下、JAL)と、ヤマトホールディングス傘下の、ヤマトグローバルロジスティクスジャパン(以下、YGL)は、3月25日より、青森産の特A精米「青天の霹靂(へきれき)」をインドに赴任中の駐在員と、その家族へ届けるサービスを開始すると発表した。
JALの旅客機を活用した貨物専用便とヤマトグループの物流ネットワークを利用し、インドまで通関・輸送を行うとのことだ。
インドでは多くの企業が活動を再開し、一時的に日本に帰国していた駐在員も再度赴任し始めているが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、日本からの生活物資の取り寄せは引き続き困難な状況が続いているという。
こうした背景もあり、両社が昨年9月より開始した在インド駐在員とその家族への食材や衣料品の輸送サービスは大変好評で、既に多くの企業・団体に利用されているとのことだ。
一方で、「取り寄せたい」という要望の多い日本産の精米については、通関規制などにより販売ができない状況だという。
そこで、今回、青森県が提供する総合輸出プラットホーム「A! Premium」を活用し、精米の輸送に必要な全ての手続きを一元的に行う仕組みを構築したことで、安定的に日本産の精米を取り寄せることができる販売・輸送サービスを実現したとのことだ。
サービス概要は以下。
同サービスを契約した日系企業および日本に拠点を持つ外資系企業のインド駐在員向けに、青森県産の特A精米「青天の霹靂」を販売し輸送する。
JAL、ヤマトグループ、そして「A! Premium」の三者が連携し、精米調達・燻蒸処理・植物検疫・通関・輸送を一元的に実施するため、駐在員は特段の手間なく、日本産の精米を取り寄せることが可能であるとのことだ。
購入方法は、契約した各企業から駐在員に告知されるという。
(1)輸送・販売の流れ
- 対象企業とYGL間でサービス利用に関する契約を締結(同サービスは日系企業および日本に拠点を持つ外資系企業のみが利用可能)
- 企業からサービス利用方法を駐在員に通知
- 駐在員および家族は、専用方法などで「青天の霹靂」を購入
- 「A! Premium」にて「青天の霹靂」の集荷・燻蒸処理・検疫を実施。その後、JALとヤマトグループにて、通関後の輸出とインドへの輸送、現地配達を行う。
(2)青森産精米「青天の霹靂」について
稲に寄り添い米を実らせ、晴れわたった空に、突如として現れる稲妻のような、鮮烈な存在になりたいと考え、名付けられたという。
粘りとキレのバランス、上品な甘みが特徴の米。ほどよいツヤとやわらかな白さがあり、粒はやや大きめの、しっかりとした米であるとのことだ。現在、その年に収穫された米の食味ランキング(平成27年2月発表/日本穀物検定協会)で、参考品種ながらも6年連続特A評価を受賞している。
■販売価格:一袋(5kg)4,060円+税
なお、上記価格は、2021年3月25日時点の価格であり、インド政府の検疫に対応するための諸経費(作業費、包装費、燻蒸費など)を含んだ料金。
また、燻蒸処理については、農林水産省の「コメ海外市場拡大戦略プロジェクト推進支援」の制度を利用しているとのことだ。
燻蒸倉庫での出荷式について
2021年3月25日13時より、「青森県三八地域県民局地域整備部八戸港管理所くん蒸倉庫」にて、「青天の霹靂」の輸出開始にともない、出荷式を実施。
出荷式後、燻蒸処理をされた「青天の霹靂」をヤマト運輸のトラックに搭載し、インドに向けて運送を実施するとのことだ。