セイコーエプソンは、全世界のエプソングループ拠点において使用する電力を、2023年には100%再生可能エネルギーとすることを決定したと発表した。
環境・エネルギーを中心とした社会課題に対する関心がグローバルで高まる中、エプソンは、環境経営における長期指針「環境ビジョン2050」を策定し、その実現に向け事業活動を展開している。
パリ協定が定めた脱炭素の目標達成に向けた、エプソンの2025年のSBT達成シナリオの中でも、再生可能エネルギーの活用を重要なテーマとして位置づけ、エプソンとしての中長期での利用拡大を計画し、実施してきた。
気候変動対策を企業リスクの一つとして捉え、グローバルにビジネスを展開する中でより大きな役割を果たすため、環境の先進企業として達成時期を大きく前倒しした今回の方針策定に至ったとのことだ。
◆国・地域別の100%再生可能エネルギー化の状況、見通しは以下の通り。
– これまでの取り組み –
●2020年3月以前
生産拠点(英国・米国ポートランド)
欧州販売本社拠点(ドイツ・フランス・イタリア・オランダ・スペイン)
●2020年4月
本社、プリンターの開発拠点を含む国内3拠点
●2020年4月
全ての欧州販売本社拠点(英国含む)
●2021年1月
生産拠点(フィリピン)
– 今後の取り組み –
●2021年度
全ての日本国内拠点
●2023年
全ての海外拠点
以上の計画を含む、2023年の全拠点の再生可能エネルギーへの切り替えにより、現在年間およそ36万トンある電力起因のCO2がゼロになる見込みであるとのことだ。
同社代表取締役社長の小川 恭範は、以下のようにコメントしている。
「今、私たちが直面する地球規模の課題のひとつとして、気候変動への対応が必須となっています。エプソンは本社の傍らにある諏訪湖を「汚してはならない」という創業者の想いがあり、創業当初より、環境活動に積極的に取り組んでまいりました。かつて、世界に先駆けたフロンレス宣言をし、全世界での全廃を達成したように、地球規模の環境問題の解決に寄与すべく、今回の再生可能エネルギー100%化においても、確実に取り組みを進めます。特に日本においては、政府の掲げる2050年のカーボンニュートラルに向けて、自社目標達成への強い意志を示すとともに、欧米よりも遅れているとの指摘がある日本の再生可能エネルギー環境を早期に改善できるように働きかけていきます。」
エプソンは、ものづくり企業として「省・小・精」を究め極めた独創の技術と取り組みにより、商品・サービスや、サプライチェーンにおける環境負荷低減を進めていくという。
また、オープンで独創的なイノベーションにより環境と経済を両立する高いユーザー価値の提供を目指すとのことだ。