ユーグレナ、バイオジェット燃料が完成 年内の供給開始 フライト実現へ

ユーグレナ(以下、ユーグレナ社)と米国のChevron Lummus Global, LLC(以下、CLG社)、Applied Research Associates, Inc.(以下、ARA社)は、ユーグレナ社のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント(以下、バイオ燃料製造実証プラント)においてASTM D7566 Annex6規格に適合した、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下、ユーグレナ)等由来のバイオジェット燃料(以下、ユーグレナバイオジェット燃料)が完成したと発表した。
 

バイオディーゼル燃料は昨年4月より先行して供給を開始していたが、バイオジェット燃料に関しても供給開始の目途が立ったことから、年内のフライト実現に向けて、今後、航空運送事業者や航空局等との最終調整を進めていくという。

ユーグレナ社のバイオ燃料製造実証プラントは、CLG社とARA社が共同で開発したバイオ燃料アイソコンバージョンプロセス技術(以下、BICプロセス)を採用しており、取得したASTM認証に適合したバイオジェット燃料が世界ではじめて完成したことになる。

ユーグレナ社は、2018年10月末、日本初のバイオ燃料製造実証プラントの竣工を機に、「日本をバイオ燃料先進国にする」ことを目指す『GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)』を宣言し、陸海空における移動体にバイオ燃料を導入することを目標として掲げてきた。

2020年3月には、ユーグレナバイオディーゼル燃料が完成、供給を開始し、バス、配送車、フェリー、タグボートなどでユーグレナバイオディーゼル燃料の導入を順次拡大してきた。

また、2020年8月には国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の公募事業である「バイオジェット燃料生産技術開発事業/実証を通じたサプライチェーンモデルの構築/油脂系プロセスによるバイオジェット燃料商業サプライチェーンの構築と製造原価低減」の採択を受け、2025年中のバイオ燃料製造商業プラントの完成に向けた、原料調達から燃料製造技術、燃料供給までの一貫したサプライチェーンの整備を推進している。

今回の成果も、助成事業の結果得られたものになるという。

今回完成したユーグレナバイオジェット燃料は、原料に微細藻類ユーグレナ由来の油脂と使用済み食用油等を使用し、バイオ燃料製造実証プラントのBICプロセスにて製造し、外部検査機関によるASTM D7566 Annex6規格への適合検査を実施して合格。

ユーグレナバイオジェット燃料
バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント

ユーグレナ社では、2021年内にバイオジェット燃料供給を実現するために、供給準備を進めるとともに、世界初のユーグレナバイオジェット燃料によるフライト実現に向けて、航空運送事業者や航空局等との最終調整を進めていくとのことだ。

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