国立大学法人東京医科歯科大学(以下、東京医科歯科大)と三菱地所は3月9日、「不動産等活用企画に関する協定」を締結したと発表した。

今後、東京医科歯科大が保有する不動産等の有効活用を通じ、協働してオープンイノベーションと世界屈指のヘルスケア・サイエンス拠点の形成を推進していくとのことだ。

2017年4月に施行された「国立大学法人法の一部を改正する法律」では、世界最高水準の研究活動の展開を目的に高い次元の目標設定に基づき大学運営を行う「指定国立大学法人制度」の創設や、教育研究水準の向上に充てるため国立大学法人等の資産の有効活用を図るための措置が盛り込まれた。

東京医科歯科大は、2020年10月に指定国立大学法人の指定を受けており、「世代を超えた人類のトータル・ヘルスケアの実現」に向け、「知と癒しの匠」の創造による世界屈指のヘルスケア・サイエンス拠点の形成を目標に掲げている。

世界レベルの卓越した大学を実現するため、さまざまな改革に取り組んでおり、同協定締結もそうした取り組みの一環であるとのことだ。

また、東京医科歯科大は、引き続き研究力を強化していくにあたり、基礎研究はもとより、同学の強みである医科・歯科附属病院が融合する臨床現場や疾病予防等ヘルスケアサービスを提供する産業からの研究ニーズなどへの対応の充実も目指すという。

その実現のため、医療系アカデミア・医療機関が集積する御茶ノ水という地の利を生かしたオープンイノベーションを実践する空間と場として、大企業・スタートアップ・アカデミアが集う「TMDUイノベーションパーク(TIP)」を整備する他、ソーシャル・インパクトの高い医学・医療研究を担う国際拠点を形成していくとのことだ。

三菱地所は、東京医科歯科大の保有不動産の有効活用に留まらず、オープンイノベーション拠点における施設運営ノウハウの提供・連携をはじめ、エコシステムの形成に係る協力も実施していくとしている。

■不動産等活用企画に関する協定の概要

協定締結日:2021年3月9日

主な内容:東京医科歯科大が保有する不動産等の有効活用を図るため、主に以下の企画・立案について、相互に連携し、協力する。

  • 不動産の有効活用および関連する知的資産の有効活用
  • 財務基盤の強化
  • オープンイノベーション拠点・エコシステムの形成に係る協力・連携