ENELLは、20代~60代の東日本大震災の被災者を対象に、「大震災の被害と水の確保」に関する調査【今だからこそ振り返る震災対策】を実施し、その結果を発表した。

まずは、東日本大震災で経験した被害について伺ったという。

「東日本大震災時に経験(体験)した被害(事象)を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『家屋・建物などの倒壊(全壊・半壊を含む)(66.5%)』という回答が最も多く、次いで『津波(14.6%)』『原子力事故(14.6%)』『地盤沈下(10.2%)』『地割れ・断層(10.2%)』と続いた。

「二次災害で経験した項目を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『震度5以上の強い余震(91.1%)』という回答が最も多く、次いで『地割れ・断層(8.6%)』『津波(6.2%)』『液状化現象(2.4%)』『土砂災害(2.4%)』と続いた。

以降の結果は以下になる。

『『崖崩れ(2.2%)』『河川の氾濫・決壊(1.9%)』『地滑り(1.8%)』『火災(1.6%)』『洪水(1.3%)』『高潮(1.0%)』『土石流(0.9%)』

そこで、「被災した際、どのようなことに困りましたか?(複数回答可)」と質問したところ、『停電(77.9%)』という回答が最も多く、次いで『断水(76.1%)』『燃料不足(ガソリン、軽油、灯油など)(74.0%)』『食料品の不足(64.5%)』『電話回線の遮断(46.7%)』『ガスの停止(プロパンガスを含む)(46.4%)』と続いた。

『停電』『断水』『燃料不足』という回答がいずれも7割を超え、電気や水道などのいわゆる「ライフライン」の寸断によって、非常に多くの人が困難な状況に陥ったこと、また、特に大きな被害が発生した岩手県・宮城県・福島県では、自家用車が「生活の足」となっていたり、石油暖房を使っていたりする人も多いため、燃料不足も深刻な問題となったことが伺える。

以降の結果は以下になる。

『交通網の遮断(公共交通機関の運転見合わせ、道路の通行止めなど)(44.8%)』『寒さ対策(44.2%)』『インターネット回線の遮断(37.8%)』『避難場所の確保(12.9%)』『避難所でのプライバシー確保(10.9%)』

特に困ったことについて、具体的に伺ったところ、以下のような回答が寄せられた。

・電気、ガス、水道の復旧までにかなり時間がかかったこと。当時、雪が降るくらい寒かったため厳しい状況でした(20代/女性/宮城県)
・乳児がいたのですが、断水で1週間近く水が出なかったので、ミルクを作るために給水所まで水を汲みに行かなくてはいけなかったこと(30代/女性/福島県)
・飲料水を家族分、確保することが出来ず、給水車情報を得るために奮闘した(40代/女性/宮城県)
・断水でトイレが流せない(40代/男性/岩手県)
・水(飲料用、トイレ、洗髪、入浴全ての用途)(50代/男性/宮城県)

「震災時に電気の復旧までにかかった時間を教えてください」と質問したところ、『4日~7日(31.2%)』という回答が最も多く、次いで『1日~3日(28.1%)』『8日~14日(17.0%)』『15日~1ヶ月(13.3%)』『2ヶ月~3ヶ月(3.5%)』と続いた。

以降の結果は以下になる。

『1日未満(3.1%)』『帰還困難区域・災害危険区域などに指定されたため、転居を余儀なくされたので不明(2.8%)』『4ヶ月以上(1.0%)』

続いて、「震災時に水道の復旧までにかかった時間を教えてください」と質問したところ、『4日~7日(30.4%)』という回答が最も多く、次いで『15日~1ヶ月(23.7%)』『8日~14日(19.1%)』『1日~3日(13.6%)』『2ヶ月~3ヶ月(6.5%)』と続いた。

『4日~7日』という回答が最も多かったのは電気と同様だったが、電気では次点に『1日~3日』と続いた一方で、水道は『15日~1ヶ月』という結果となり、水道の復旧は電気よりも多くの時間を要したことが分かった。

以降の結果が以下になる。

『1日未満(3.1%)』『帰還困難区域・災害危険区域などに指定されたため、転居を余儀なくされたので不明(2.7%)』『4ヶ月以上(0.9%)』

「 被災時はどのようにして飲み水の確保をしましたか?(複数回答可)」と質問したところ、『給水車に汲みに行った(50.2%)』という回答が最も多く、次いで『災害用に備蓄していた(30.0%)』『ボトルウォーターの配給(18.3%)』『井戸水や河川水などを煮沸・浄化した(10.5%)』『雨水や雪解け水を煮沸・浄化した(2.5%)』と続いた。

また、被災時の飲み水確保で大変だったことを伺ったところ、以下のような回答が寄せられた。

・どこに行けば確保できるのか、把握するのが大変だった(30代/女性/宮城県)
・入れ物が配給されて助かったけれど、数日間暮らすには運んだり、量を確保するのが大変だった。配給所までも遠かったし、メルトダウンを知らされず屋外で並んでいた(40代/女性/福島県)
・並んで2時間待ち。1回で汲める量も限られていた(40代/男性/福島県)
・いつ復旧するかわからないため、持っている水も我慢して使えない状態だった(50代/男性/宮城県)
・並んで順番を待つのが寒くて大変で、重いから車が必要だがガソリンを使いたくないので持って帰るのが大変だった(50代/女性/岩手県)

そこで、「今後の災害に備えて対策していることを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『食料を備蓄しておく(76.9%)』という回答が最も多く、次いで『飲料水を備蓄しておく(76.0%)』『日用品を備蓄しておく(60.2%)』『寒さ対策・暑さ対策ができるものを用意しておく(45.6%)』『非常用電源(蓄電器含む)を備蓄しておく(42.1%)』と続いた。

以降の結果が以下になる。

『災害用持ち出しバッグを用意しておく(35.3%)』『家族・親族の安否確認方法を決めておく(34.4%)』『避難場所・避難経路を覚えておく(31.0%)』

続いて、「災害対策で特に重要だと思うポイントを具体的に教えてください」と質問したところ、以下のような回答が寄せられた。

・水の確保。災害時の断水は割とよくあることが分かったので、地震が起きた後はすぐヤカンやペットボトル、バスタブなどに水を溜めておくようにしている(20代/女性/福島県)
・家族皆が災害時の対応を共有し、日頃から飲料水や食料品を多めに備蓄しておくこと(30代/女性/福島県)
・最低限の水と食料の備蓄。モバイルバッテリーの準備。ガソリンは常に満タンを維持(40代/男性/宮城県)
・水と食料品の確保が一番大切だと痛感しました(60代/男性/福島県)
・食料品も大事だがトイレやプライベートの確保も必要だと思う(60代/男性/宮城県)

調査概要:「大震災の被害と水の確保」に関する調査【今だからこそ振り返る震災対策】
【調査期間】2021年3月9日~2021年3月10日
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,082人
【調査対象】20代~60代の東日本大震災の被災者
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ

<参照元>
ENELL『【震災から10年 今だからこそ振り返る震災対策】東日本大震災の被災者1,082人に聞く!被災経験から得た教訓と災害への対策で重要なポイント