キリンホールディングス(以下、キリン)は、2021年4月から吉本興業と静岡県浜松市(以下、浜松市)と協働して、「笑いが脳機能に及ぼす健康効果に関する研究」を開始すると発表した。

同件は、キリンが2020年2月より参画している、「浜松ウエルネス・ラボ」での健康事業の一環であるという。

キリンは、「脳機能」に関する社会課題の解決を目指した研究を進めるため、浜松市、市内の医療機関や大学、参画企業等と共に設立した「浜松ウエルネス・ラボ」を通じて、同市民の健康づくりに役立つ取り組みを行っている。

超高齢社会の到来や昨今の新型コロナウイルスによる社会環境の変化等により、脳の老化や認知症、メンタルヘルスに関する健康課題は重要な社会課題となっている。

キリンは、これまでキリングループが独自に発見した「βラクトペプチド」や「熟成ホップ」といった素材を活用し、「食」を中心に「健康」をサポートする研究開発を進めてきた。

その一方で、「脳の健康」をサポートするには、「食」以外の毎日気軽に続けられる解決方法と連携していくことも必要だと考えてきたとのことだ。

「笑う門には福きたる」と言われるように、古くから、ユーモアや笑いは脳や心に良い影響があると考えられているが、科学的な検証は十分になされていないという。

そこで、キリンはこれまでの臨床試験などで培ってきた脳研究の技術を活かして、吉本興業と協働で「笑い」が脳や心の健康に及ぼす効果の可能性を検討。この検討結果を踏まえ、今回、キリンと吉本興業は浜松市と連携し、笑いによる脳や心の健康効果について実証研究を実施するとしている。

キリンと吉本興業は将来的に、同取り組みを通じて、「脳の健康」をサポートする毎日気軽に続けやすい新サービスの開発を目指していくとのことだ。

また、「健康」に対する未充足ニーズの解消を進め、浜松市民の健康増進や「予防・健幸都市浜松」の実現にも貢献していくとしている。

●調査概要
浜松市民を中心に、お笑い動画を鑑賞中および鑑賞後に、非侵襲性の生体指標を測定することで、「笑い」によって生じる認知機能や気分状態への効果を評価。

(1)募集期間:2021年3月~2021年8月
(2)対象者:40歳以上65歳以下の男女(25名を予定)
(3)内容:心拍測定、唾液採取、脳血流測定、アンケートへの回答等(2時間程度)
(4)参加方法:インターネットもしくはスマートフォンから申し込み
(5)調査場所:アクトシティ浜松

●期待される成果
同研究でのエビデンスを活用し、「脳の健康」をサポートするサービスを吉本興業と連携して検討。また浜松市民が自身の脳や心の健康状態を知る機会をつくり、脳の健康サポートの重要性の啓発活動へつなげていくとのことだ。

キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献するとしている。