ベネッセコーポレーションの妊娠・出産・育児事業を展開する「たまひよ」は、2020年秋に全国の乳幼児をもつ母親約2,000人を対象に、2020年春以降における生活・意識調査を実施。

同調査では、新型コロナウイルスによる影響、産前・産後での母親の不安、父親の育休を含めた育児環境など幅広いテーマについて母親の声を調査、分析しているという。

「たまひよ」では、これらの調査結果と分析を「たまひよ 妊娠・出産白書2021」としてまとめ、3回シリーズで発表。

先日発表した第1回「新型コロナウイルス感染症の出産・育児への影響」、第2回「出産・育児をめぐる母親の意識」に続き、今回は第3回となる「男性の育休・育児参加」を発表するとのことだ。

主な調査結果サマリーは以下のとおり。

データ①
約65%の父親が出産にあたり休みをとっているものの、出産当日、前後を中心とした数日間が多数

●「出産時に父親が仕事を休んだ」と答えた人は65.3%で、出産当日とその前後を中心に数日の取得が多かった。一方で1日も休みを取らない人たちも25.9%。

厚生労働省が発表している父親の育児休業取得率が7.48%(2019年度調べ)であることから、実際は育児休暇以外に有給休暇を使って休む人が多いことが考えられる。

また、世代別に見ると若い世代ほど休みをしっかり取る傾向があった。

データ②
男性の育児休業制度義務化には賛成が約5割、どちらとも言えないが約4割

産休・育休を取ることで収入減少や職場での待遇悪化を不安視する人も多く、まずは職場環境(働き方、制度、雰囲気)を変えていくべきとの声が多い

●男性の育児休業制度義務化に対しては「賛成」53.6%、「どちらとも言えない」36.7%、「反対」9.6%。

反対・どちらとも言えないと回答した人の理由を見ると、「世帯収入が減るのが不安(60.8%)」が最も多かったという。

また、休んだ父親が本当に育児参加するのか?という不安の声も。

「どちらとも言えない」が多い理由としては、収入保障のある現行制度の理解が進んでいないことや100%の保障でないことへの不安が推測された。

●男性の育児休業制度義務化に必要なこととして最も多かったのは、「休みやすい職場の体制・雰囲気づくり」。

2位は「育休中の収入保障」、3位は「昇進や昇給にひびかない制度」と、収入と連動する職場環境・体制の改善を求める声が多かった。

データ③
父親の職場に対して「上司や同僚が子育てに理解がある」と思う母親は54%

職場環境差が母親の「子どもを産み育てやすい」「子どもがほしい」意識にも影響を与えている

●父親の職場について上司や同僚が子育てに理解があると感じている母親は約半数(54.4%)いる一方で、育児で仕事を休んだり、遅刻・早退することは難しいと感じている母親も多く、男性の育児参加を応援する雰囲気はまだまだ少ない。

●父親の職場環境が良いと感じている母親ほど、「(今後も)子どもがほしい」「(母親から見て)日本は子どもを産み育てやすい」と感じている。とくに「父親の職場の上司や同僚の理解があるか」で差が出ている。

【父親の職場環境が良いと感じる母親ほど、今後も子どもをほしいと考えている】

【父親の職場環境が良いと感じる母親ほど、子どもを産み育てやすいと感じている】

<調査概要>
調査名 : 「たまひよ 妊娠・出産白書2021」
期間/エリア/手法 :  2020年10月29日~2020年11月2日 全国、インターネット調査
調査対象者 : 20~39歳で2019年5月~2020年10月に第1子を出産した女性2,060名
※グループ分け:2020年5月~10月に出産(緊急事態宣言解除前後、解除後)/ 2019年11月~2020年4月に出産(通常期・新型コロナウイルス感染症拡大期)/ 2019年5月~10月に出産(通常期)

〈参照元〉
【たまひよ妊娠・出産白書 2021 調査報告第3弾~男性育休・育児参加~】
母親の「子どもを産み育てやすい」「今後も子どもがほしい」意識に父親の職場環境が影響
父親の職場について「上司や同僚が子育てに理解がある」と感じる母親は 54%
母親たちは「父親も育児で休みやすい職場の体制・雰囲気」を求めている