KKR & Co. Inc. (以下、KKR)、楽天およびウォルマートは、KKRおよび楽天の子会社である楽天DXソリューションがウォルマートから西友の株式取得を完了したことを発表した。

株式取得完了により、KKRが65%、楽天DXソリューションは20%の西友株式を保有する。また、ウォルマートは引き続き西友株式の15%を保有。

KKR はアジア・プライベート・エクイティ・ファンドから投資を実行するとのことだ。

株主であるKKR、楽天、そしてウォルマートは、それぞれの専門性を相互に活用しながらイノベーションとデジタル・トランスフォーメーション(DX)を加速させ、西友が日本を代表するOMOリテーラーとして躍進できるよう協業するとしている。

さらに、地域密着型の小売業者としてさらなる成功を実現できるよう、長期的な戦略遂行を支援していくとのことだ。

西友は2020年、過去10年間で最高水準の売上高および収益率を達成。

同年の売上高は前年比5.6%増の7,850億円を記録し、EBITDA(利払い・税金・償却前利益)は売上高の約5%となった。

過去2年連続で、西友はマーケットシェアを伸ばし、利益率を改善。2年間の合算で、売上高の既存店前年比は業界平均を180ベーシスポイント上回り、EBITDAは約40%伸長したという。

また、西友と楽天が協働運営する「楽天西友ネットスーパー」の2020年第4四半期における流通総額の前年同期比は約40%増となり、昨今のネットスーパーに対する急速な需要拡大に応えるため、2021年1月に神奈川県横浜市で専用物流センターを稼働開始したほか、2021年内に大阪府茨木市でも新たな専用物流センターを稼働開始予定であるとしている。

なお、株式取得完了の3月1日付けで、新株主は大久保恒夫が西友の最高経営責任者(CEO)に就任することを承認。

長年にわたり国内大手小売企業の成長を牽引した実績を背景に、今後はDXの推進、実店舗の運営強化、地域毎に異なる顧客ニーズの取り込みなど様々な施策や改革の先導役を担っていくとしている。

新CEOの大久保は次のようにコメントしている。

「西友の歴史の中で今回のような重要な節目に経営に参画できることを光栄に思います。KKR、楽天、ウォルマートと協業し、西友のビジネスを次の段階に押し上げることができるよう尽力します。

ネットショッピングを充実させながらお客様の購買ニーズの変化に迅速に対応すると同時に、全国の実店舗の運営もさらに強化することで、西友を新たな成長軌道に乗せることができると確信しています。

これまでCEOを務めてきたリオネル・デスクリーのたゆまぬリーダーシップに感謝します。今後は才能あふれるアソシエイトとともに、日本を代表するOMOリテーラーになるよう邁進してまいります。」