日本交通、2022年度の乗務員採用計画を発表 タクシー乗務員へ新卒1,000人採用計画を策定

日本交通では、今後のタクシー事業の成長戦略の一環として、タクシー乗務員として1,000人の新卒採用を目標に取り組む2022年度の乗務員採用計画を策定したことを発表した。

新卒採用によるタクシー乗務員は、社会の移動インフラとして重要性を増しているタクシーの進化を牽引する役割を期待されることから、日本交通では2012年より乗務員の新卒採用を開始している。

新卒採用10年目を迎えるにあたり、更なる事業の成長を見据えて採用を一層強化するとのことだ。

新卒採用が広がっているタクシー業界

タクシー業界では、配車アプリの普及とアプリからの注文数増加、車内装備のIT化、次世代型タクシー車両の導入、新サービスの展開など、急速に業務の高度化が進んでいる。

直近では、高効率空気清浄機等を設置したコンセプトタクシー「ニューノーマルタクシー」の導入、新サービスとして「タクシーデリバリー」の開始など、ウィズコロナ時代に適合した移動インフラとして、タクシーのニーズはますます高まっているとのことだ。

新卒採用者は、高いホスピタリティを持ち、新しい技術や環境に柔軟に対応できる人材として、タクシーの進化を牽引する役割を期待しているという。

タクシー業界としては労働集約産業であるために以前より人材不足という課題を抱えていたが、業界への正しい理解を広げ、新しい労働環境や将来のキャリアパスを提示していくことにより、タクシーの社会貢献性、接客業としての魅力、優れたワークライフバランスに注目が集まっているという。

日本交通では2012年より乗務員の新卒採用を開始し、2020年4月までの累計入社者数は899名、2021年4月入社内定者は359名(2020年10月時点)となっているとのことだ。

オンライン活用推進と、オーディション採用や「N Project」を展開

更なる新卒採用強化にあたってはオンライン活用を推進し、先輩にあたる新卒入社者自らYouTubeチャンネルやSNSを通じて情報発信を強化。

またオーディション型の採用を開始し、応募者の「自己表現」を通じた幅広い人材採用を目指すという。

さらに、社会貢献性の高いサービス開発を担う、新たな人材育成プロジェクト「N Project」を立ち上げ、若い人材の成長とサービス実現の可動域を広げていくとのことだ。

新卒1,000人採用計画によりグループ全体の底上げを図る

なお、日本交通では2020年8月には業界初となる、新卒採用による乗務員のみで構成されるタクシー営業所として「葛西営業所」を新規開設。

在籍する乗務員の平均年齢は24歳であり、所属乗務員全員の「運転地理検定」団体受検など、サービスレベル向上の新たな取り組みを独自に行っているという。現在所属乗務員は28名だが、2021年4月、5月にはさらに約50名の新卒乗務員を配置する予定であるとのことだ。

今後は新卒1,000人採用を通じて、日本交通グループ全体のサービスレベルの底上げを図る計画であるとし、タクシー業界は大半の事業者が中小企業であるため、各社が個々に新卒採用活動を行うのには限界があるが、日本交通で一括採用、一括教育した人材を、子会社のみならず業務提携グループ各社へも出向させることにより、グループ各社の要員確保とともにサービスの均一化とレベル向上、乗務員の若返りを図るという。

また同社は、将来的には新卒採用者がマネジメントにも参加することを想定しており、高まる社会の期待に応えられる体制構築を目指すとしている。

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