ドンキ運営PPIH、米国の高級スーパーを展開するGRCYホールディングスを買収

ドン・キホーテ

ドン・キホーテなどを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(以下、PPIH)は、米国カリフォルニア州においてプレミアムスーパーマーケットチェーン「Gelson’s」を運営する企業グループの持株会社である、GRCY Holdings, Inc.(以下、GRCYホールディングス)の株式 100%を取得し、買収すると発表した。

GRCYホールディングスが展開するGelson’sブランドのチェーンは、南カリフォルニアエリアに 27 店舗を展開し、売上高 8.72 億ドル(2020年12月期)、創業70年の歴史を有する老舗のプレミアムスーパーマーケット。

新型コロナウイルス禍の下でも、同社のブランドに対する安心感と、ロイヤルカスタマーの強い支持を受け、市場シェアを大きく伸ばしているという。

また、GRCYホールディングスが事業を展開する地域は、周辺地域を含めて人口増加が続いており、高品質な商品を求める消費者層が多いことから、今後も新規出店や既存店舗の集客増による継続的な発展が見込まれているとのことだ。

今回、同件取引を実施することにより、同社の海外売上高は年間2,000億円規模に増加。連結売上高の10%程度を占め、海外事業は、ディスカウントストア事業、総合スーパー事業に続く同社グループの新たな収益の柱になることが期待されるという。

特に北米事業においては、高いブランド認知とロイヤルカスタマー、経験豊富で市場を熟知した経営陣を有する対象会社の加入は、経営基盤の強化と新業態展開、多店舗化という北米事業の課題の克服に向けて大きな力となることが見込まれる。

また、日本政府が2030年に農畜水産物の輸出額5兆円を目指す中で、同社がPPIC(Pan Pacific International Club)の設立を通じて目指す農産品輸出目標である3,000億円の実現に向けた将来への布石ともなるという。

GRCYホールディングスにおいても、同件取引の実施後、同社グループを通じて供給するジャパンブランドの高品質商材を店舗に厳選して品揃えすることで、さらなる消費者の支持獲得に繋げていくことに加えて、同社グループの既存の北米事業との間で、仕入れや資材調達等におけるスケールメリットや経営効率の改善等のシナジーも見込めるため、成長はさらに加速するものと考えているとのことだ。

同社は、2020年2月5日に公表した中長期経営計画「Passion 2030」において、「顧客理解を深め、顧客最優先主義を徹底することによる企業価値向上」をビジョンに掲げ、国内で2兆円、海外で1兆円の売上高計3兆円、営業利益2,000億円を目指して価値創造に取り組んでいるという。

その中で、海外事業の売上高は、前期(2020年6月期)に1,151億円まで伸長し、今期も第2四半期累計期間において対前期比で大幅な増収増益を実現しており、2021年1月末時点で北米38店舗、アジアで17店舗を展開。

また、PPIHは、海外事業について、2024年6月期に「126店舗体制、売上高3,000億円、営業利益率8%」を目指す3か年計画を策定。

同社では引き続きジャパンブランド・スペシャリティストアの構築と拡大を目指し、北米地域においてはさらなる成長に向けた基盤づくりと新業態創造、アジア地域においては主に新規出店による事業拡大に注力する方針であるとのことだ。

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