看護師の71.1%が「賃金が払われていない労働がある」と回答 マイナビ看護師が調査

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マイナビが運営する看護師転職サービス『マイナビ看護師』は、看護職の労働環境の改善に向けて労働実態と転職活動の意向を把握するため、会員アンケートをまとめた「看護師白書2020年度版」を発行した。

71.1%が「賃金が払われていない労働(サービス残業・早出)がある」と回答

1か月間の時間外労働時間を尋ねたところ、「5時間未満(26.2%)」が最も多く、次いで「10~20時間未満(19.7%)」、「5~10時間未満(19.1%)」と続いた。一方、50時間以上という回答も3.7%あり、時間外労働の上限規制である原則月45時間を超えている人もいたという。

時間外労働のうち、賃金の支払われない労働(サービス残業・早出など)が月平均で何時間あるか尋ねたところ、すべて賃金が支払われているという回答は全体の28.9%にとどまった。71.1%の人は賃金が支払われていない労働があり、サービス残業・早出などが常態化していることがうかがえるとしている。

4割以上が「十分な看護が提供できない」と回答。理由は「看護職員数不足」や「看護以外の業務の多さ」

現在の職場で、患者に十分な看護が提供できていると感じるか尋ねたところ、「できていない」が44.5%(「どちらかといえばできていない(33.2%)」+「できていない(11.3%)」)だった。

「できていない」と回答した人に理由を尋ねたところ、「看護職員数が足りない」が67.7%と最も多く、次いで「看護以外の業務が多い」(50.2%)、「自身のスキルや経験が足りない」(35.0%)、「介護・看護補助等の職員数が足りない」(34.5%)が上位に挙げられた。この結果から、「看護以外の業務が多い」理由に「介護・看護補助等の職員数が足りない」ことが一部起因していると同社は推測している。

『看護職が働きやすい工夫や制度』『看護職の労働環境に対する要望』に多数の意見

『看護職が働きやすい工夫や制度』『看護職の労働環境に対する要望』を自由記述形式で尋ねたところ、シフトや休日、業務量やハラスメントに関してなど、延べ5,000件の回答が寄せらたという。

『看護職が働きやすい工夫や制度』について(総括)
<シフト>
夜勤明けの翌日を休みとする、休暇希望が重ならないように調整する、職員間で平等なシフトを組むなど、職員に配慮したシフト作成が望まれている。
<休日>
連続休暇を取得しやすい環境、休暇の取得希望が通りやすい環境を望む回答が見られた。
<給与・待遇>
業務量や内容・成果に見合った給与待遇を求める声が多数見られた。
<業務改善>
改善のための意見交換の場が定期的に設けられ、ICTの活用や勤務体制の工夫によって効率化を叶えている職場もあれば、業務改善を提案するがなかなか聞いてもらえない、上司が部下に意見を求めるようにするべきという回答など、職場によって意識の差が存在している。

『看護職の労働環境に対する要望』(総括)
<業務量・給与>
業務量や責任の重さと給与のバランスが取れていない、サービス残業を強いられているという声が多数見られた。
<ハラスメント>
上司・先輩・医師といった職務上の上位者からのハラスメントが多く、看護師が過酷な状況に対し疲弊している。
<育児支援>
育児支援を求める声が多数挙げられている一方で、男性、独身、育児をしていない職員の負担になっている状況を訴える声もあり、様々な人と状況に配慮した仕組み作りと組織運営が求められている。

<調査概要>
・調査名称:マイナビ看護師『看護師白書』2020 年度版
・調査目的:看護職の労働環境全般の改善に向けて、労働実態と転職活動を含む就業の意向を把握する。
・調査対象:「マイナビ看護師」登録会員
・調査期間:看護師調査:2019 年11 月1 日~2020 年3 月31日
      事業者調査:2020年7月16日~2020年7月24日
・調査方法:マイナビ看護師の登録会員に調査票の入力フォームをメールにて送信し、オンラインにて入力された回答を回収した
・回答状況:有効回答数2,655 件(看護師)/221件(事業者)

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