ファーストリテイリングと国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、新型コロナウイルス感染症の影響が拡大する世界の難民の支援に向けて連携を強化すると発表した。
この一環として、ファーストリテイリングは2月末以降順次、アルゼンチン、イラク、エジプト、チリ、ボリビアの5カ国を含む難民・避難民に、ユニクロの「エアリズムマスク」計約100万枚を寄贈するという。
マスクはUNHCRを通じて、特に脆弱な環境にある難民の家族を中心に配布されるとのことだ。
世界各地で紛争や迫害のために避難を余儀なくされた人の数は7,950万人(2019年末時点)を超え、その多くが、医療・公衆衛生のサービスが十分でない環境での暮らしを余儀なくされている。
さらに昨年来、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大を受け、難民キャンプや都市部の密集した空間での生活のリスクは高まっている。
ファーストリテイリングとUNHCRはグローバルパートナーシップに基づき、こうした状況下で難民・避難民を守り、「誰一人取り残さない」持続可能な世界の実現に向けての取り組みを推進していくとのことだ。
ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長 柳井正氏は以下のようにコメントしている。
「当社は、真に持続的な社会の発展には、世界で最も脆弱な立場に置かれた難民の人々が安全に生存できる環境と、自立に向けた生活の再建が欠かせないという考えの下、UNHCRと連携して、10年以上にわたり衣料支援などを行ってきました。
新型コロナウイルス感染症の脅威に直面する難民への支援を継続するとともに、今後も服のビジネスを通じて、中長期的な難民問題の解決に貢献する取り組みを推進していきます。」
国連難民高等弁務官 フィリッポ・グランディ氏は以下のようにコメントしている。
「紛争や迫害により移動を強いられた人々は、家、財産、仕事、自身のアイデンティティなど、すべてを失ってしまうリスクに直面しています。
そして今、すでに各地で起こっている緊急事態に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大は、彼らの脆弱な状況にさらなる影響をおよぼしています。
ファーストリテイリングによる難民への服の寄贈や緊急・自立支援などの長期的な取り組みは、一人ひとりに人生を再建するチャンスを与え、未来への希望にもなっています。」
2011年に両者が締結したグローバルパートナーシップは、今年10周年を迎える。最新の合意に基づき、ファーストリテイリングは2023年8月までの3年間で450万ドル(約4億7,500万円)をUNHCRに提供、年間最大700万着の衣料支援を実施するという。
ファーストリテイリングとUNHCRは、新型コロナウイルス感染症対策を含む緊急支援での迅速な協力のみならず、中長期で難民の自立を支える活動や啓発活動も強化していくとのことだ。
また、グローバルパートナーシップ10周年を記念し、難民の現状と支援の取り組みをより多くの方に知っていただくため、特別ショートフィルム「服の旅先Closer Through Our Clothes」を公開。
日本の少女が気に入っていたユニクロの服が、ウガンダに住む難民の少女へ届くまでの物語。二人の少女の想いとパートナーシップによる衣料支援の様子は、2月24日より、ユニクロのサステナビリティウェブサイトにて見れるとのことだ。