データインフラストラクチャ基盤を提供するウエスタンデジタルは、ハワイ大学がんセンターと提携することを発表した。
同社は同センターに、マンモグラフィ検査におけるがん検出精度向上に焦点を当てた、貴重な研究データの保存に必要となるストレージ基盤を提供する。
ハワイ大学のAIプレシジョンヘルス研究所(AI-PHI)は、ウエスタンデジタルの総容量720TBに及ぶUltrastarハードディスクドライブ(HDD)を搭載したUltrastar Data60ハイブリッドストレージプラットフォームを導入。
同研究所は、このデータを活用して人工知能(AI)、機械学習、ディープラーニングを実行し、人の健康状態を診断し、病気のリスクを予測することで、太平洋地域におけるがんの有病率の上昇を緩和するのに役立てるという。
ハワイ大学がんセンターのAI-PHI(AIプレシジョンヘルス研究所)の創設者であるJohn Shepherd(ジョン・シェパード)博士は次のように述べている。
「AIは、ビッグデータの問題に対処する方法を根底から変えました。600万枚の画像を調べるには膨大な時間を要します。
大量データへの高速で信頼性の高いアクセスとAIの威力により、最終的には2つの画像の解析結果の違いが、がんを発症する可能性のある女性とそうでない女性を見分けるのに役立てることができます。
私たちはウエスタンデジタルとのパートナーシップに心から感謝しています。同社の信頼性と拡張性に優れたストレージソリューションが、私たちが抱えているこれらすべての問題の解決を支えてくれます。」
AI-PHIのマンモグラフィデータベースには、特にハワイの女性を対象とした、ハワイ太平洋諸島マンモグラフィレジストリが保存されている。
これには、近隣の他の民族グループと統計的に比較して乳がん罹患率が高い、ハワイ先住民の女性も含まれているという。
ウエスタンデジタルが提供する高パフォーマンス、大容量、数百テラバイトの高速ストレージにより、研究者はいつでも迅速に、AIワークフローに必要な大量データにアクセスすることができる。
これにより、がん研究のための膨大で多様な医療データセットを開発、収集、共有し、ハワイの女性を始め世界中の女性が抱える問題の解決を支援していくとのことだ。
「ハワイの特殊性により、民族、人種、BMI(体格指数)、文化における幅広い人口統計情報が得られます。
このような膨大なデータを使ってAIモデルをトレーニングすれば、世界のあらゆる地域で有用なモデルを提供できるはずです。」とシェパード氏博士は付け加えている
ウエスタンデジタルのバイスプレジデント兼データセンタープラットフォーム担当ゼネラルマネージャーのKurt Chan(カート・チャン)は次のように述べている。
「シェパード博士がハワイ大学がんセンターのAI-PHIで率先して取り組んでいる研究は、画期的な発見につながる知見を得るためにデータが活用されている好例であり、世界が抱える最大の課題を解決することを可能にします。
私たちは、データへの迅速で容易なアクセスを提供するストレージ基盤を提供して研究活動に貢献することで、研究者の皆様が知見と理解を深め、最終的には人命を救うことにつながることを大変嬉しく思います。」
この継続的な協力関係を進め、ハワイ大学がんセンターは、OpenFlex™オープンコンポーザブルインフラストラクチャソリューションとUltrastar NVMe™ソリッドステートドライブ(SSD)を増設することで、ウエスタンデジタルとのパートナーシップによるストレージ基盤を拡張することを計画している。
この新しいソリューションによって提供されるより効率的なワークフローと柔軟なコラボレーションは、新たなAIがんリスク・検出モデルの検証と、非侵襲的手法による高度な健康分析AIモデルの開発に重点を置いたAI-PHIの最新研究を後押する。
これには、3D全身キャン、身体組成の二重エネルギーX線吸収測定スキャン、骨代謝マーカーの血液検査、体力評価などが含まれるとのことだ。