YouTubeは、YouTube Spaceの新たな展開で、より多くのクリエイターとアーティストへのサポートをすると発表した。
クリエイターとアーティストがYouTubeの中心であるとし、クリエイター達を第一に考え、彼らの創造性と成功をサポートするために取り組んでいるという。
YouTube Spaceもそういった取り組みの一つ。
9年前に世界の主要都市に設置されたYouTube Spaceでは、最先端のスタジオ、イベントやクラスなどをクリエイターやアーティストに提供してきた。
何よりYouTube Spaceは、クリエイター同士が交流する場所として機能してきたという。
2016年には、そういったコミュニティが物理的な枠を超えて広がり、より小規模な移動型プログラムのYouTubeポップアップスペースとして、20か国以上でYouTube Spaceで培ったプログラムを提供。
YouTubeポップアップスペースは、4年間で45回以上のイベントをブエノスアイレスやメキシコシティ、マドリード、ミラノ、カイロ、ジャカルタ、台湾、ムンバイなどのYouTube Spaceが無い20都市で開催し、1,500人以上のクリエイターやアーティスト、NGO、教育機関関係者が参加。
また、ストックホルムやナッシュビルでは、音楽をテーマにしたプログラムなどを組み込むなど、すべてのイベントでそれぞれの地域特性を盛り込んだとのことだ。
2020年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、パートナープログラムやイベントを全面的にオンラインに移行して実施。
インドでは、クリエイター向けのYouTubeショートの導入ワークショップ、米国ではクリエイターの自宅におけるコンテンツ制作を支援するライブ配信シリーズ、英国では女性クリエイターの支援をテーマにしたBoss&Bloomのようなプログラムなど、1,000を超えるオンラインイベントを開催した。
日本では、2020年の一年間で、アーティストなど音楽関係者を対象とした初となるオンラインプログラムやYouTube NextUp、ウェルビーイングや女性クリエイターへの支援をテーマにしたプログラムなど160以上のオンラインイベントを開催し、1万人以上のクリエイターが参加したという。
結果として、施設そのものは昨年一年間休止したが、オンラインイベントを通して、世界145か国で70,000人を超えるクリエイターやアーティストにプログラムを提供したとのことだ。
近年、YouTubeコミュニティは急速なペースで拡大している。
そして、YouTubeは、クリエイターやアーティストがどこにいても、彼らのニーズに沿ったサポートをする必要があるとし、今後、ツールやワークショップの提供を通して、より多くのクリエイターをサポートできるように、より拡張性が高く素早く展開できるアプローチを採用。
その結果、東京、ベルリン、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、リオデジャネイロの7か所のYouTube Spacesは再開せずに、ポップアップの対面式プログラムとオンラインプログラムを組み合わせたハイブリッドモデルを採用し、クリエイターやアーティストのサポートを行うとのことだ。
この新しいアプローチにより、より多くの地域のクリエイターやアーティストへのサポートが可能になり、さらに素晴らしい作品を作るために必要なリソースを提供することで、コミュニティへの良い影響を与えられると考えているという。
なお、2021年、YouTubeは下記に注力するとしている。
- 日本、ロシア、フィリピン、ドイツなどで急成長しているクリエイターをサポートするためのYouTube NextUpプログラムへの継続的な投資
- クリエイターアカデミーの学習ツールキットの一部として、ライブを含む複数のオンラインワークショップの実施。これにより、クリエイターが自宅でのコンテンツ制作、収益を得るための新しい方法やライブ配信のおすすめの方法などの学びを支援
- 最新のプロダクト開発、コンテンツ戦略、事例を学べるアーティストと音楽レーベルを対象としたワークショップ
- 対面イベントの実施が可能になった際には、ポップアップのイベントをさらに多くのコミュニティに提供。プログラム構成には新しいプロダクトのトレーニングや、ミュージックナイトなどのイベントも予定
- クリエイターとアーティストを対象にした#YouTubeBlack Voices Fund(英文)のために、数週間にわたるオンラインでの育成プログラムを実施(対象国は英国、ケニア、南アフリカ、ナイジェリア、ブラジル、オーストラリア)
YouTubeのビジョンは、表現する場所をあらゆる人に提供し、その声を世界中に届けることであるとし、この新しいアプローチは、このビジョンを実現する大きな一歩となるとしている。