アイリスオーヤマ「水事業」本格参入 30億の追加投資も 災害発生時の課題解決へ

アイリスオーヤマは、今後想定される首都直下地震、南海トラフ地震といった大規模災害発生の際に、被災各地に生命と衛生環境維持に必要不可欠な飲料水を供給する体制を早期に構築できるよう、富士小山工場(静岡県駿東郡小山町)の一部を改修して、新たに飲料水事業に参入することを昨年1月に発表している。

今回、天然水と強炭酸水の本格生産を開始し、富士小山工場(静岡県)から順次出荷すると発表した。

同製品は、全国のスーパーマーケット、ホームセンター、インターネットサイトを中心に同製品を販売するとしている。

国内では、各地で発生する地震や風水害などの自然災害を契機に防災意識が高まっており、特に、災害発生時の断水等により水が入手できないという問題は頻繁に発生しており、宮城県に本社を置く同社も東日本大震災の際の断水により、ライフライン復旧までの備えと迅速な対応の重要性を認識しているという。

そこで同社は、昨年の飲料水事業への参入決定後も各地で多発する自然災害に迅速に対応するため、生産拠点となる富士小山工場以外に、備蓄を目的とした全国9工場での更なる生産・供給体制を強化する追加投資を検討してきたが、2月13日に発生した福島県沖地震による各地での断水の発生を受け、今回さらに約30億円の追加投資を決定したとのことだ。

この追加投資により、2021年10月を目途に第2ラインを増設し、現状の生産・供給能力を2倍に強化するとしている。

また同社は、今回の飲料水事業の本格稼働を機に自然災害に備える防災食・防災用品のラインアップを更に強化し、具体的にはゆのたにのレトルト食品、缶詰の事業買収により、新たに長期保存食品を展開するとともに同社の「防災セット」に追加するという。

更に水やお湯を注ぐことでごはんができる「α化米」や防災・備蓄を目的とした「長期保存水」の商品化も検討していく方針を示している。

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