ユニセフ(国連児童基金)は、「人道航空貨物イニシアチブ」を開始したと発表した。
10社以上の主要航空会社と協定を結び、パンデミックに対応するための新型コロナウイルス感染症ワクチン、必須医薬品、医療機器、その他の重要物資を優先して世界各地に届けるという。
イニシアチブはまた、長期的には他の人道危機や健康危機における世界のロジスティクス(物流・調達システム)の準備メカニズムとしても機能するとのことだ。
「ワクチンの輸送は、量の多さ、コールドチェーンの要件、想定される輸送回数、ルートの多様性を考慮すると、壮大で複雑な事業です」とコペンハーゲンにあるユニセフ物資供給センター長のエトレバ・カディリ氏は述べた。
また「COVID-19ワクチンの展開を支えるために、ユニセフ人道航空貨物イニシアチブに参加いただいた航空会社に感謝します」と感謝を述べている。
ユニセフ人道航空貨物イニシアチブには、新型コロナウイルス感染症ワクチンの公平なアクセスを目指すCOVAXファシリティを支援するために、100か国以上の路線を網羅する航空会社が参加。
COVAXで指定された配分と第1弾の配分計画に基づき、145か国は、すべての要件を満たし、最終的な配分計画を策定することを条件に、2021年の前半より、平均して人口の約3%の人々に予防接種を行うためのワクチンを受け取ることになるという。
航空会社は、これらの命を守る物資の輸送を優先するだけでなく、温度管理やセキュリティなどの対策を講じるとともに、必要な路線には輸送能力を拡大。
ワクチンなどの重要物資を適時かつ確実に輸送するためには、各航空会社の取り組みが不可欠であるとのことだ。
物資の安全かつ効率的な輸送は、子どもたちとその家族にとって不可欠なサービスへのアクセスを支える上で非常に重要であるという。
COVAXにおける輸送と最前線で働く人々へのワクチン接種によって、医療とソーシャルケアが支えられ、これらの重要なサービスの安全な再開につながるとしている。