ヤフーが提供する日本最大級のインターネットニュース配信サービス「Yahoo!ニュース」が、2020年7月からAIを活用して取り組んでいる投稿時の注意メッセージ掲出の効果により、「Yahoo!ニュース コメント」(以下、コメント欄)に不適切なコメントを繰り返し投稿しているアカウントが、掲出直後と比較して13.5%減少したことを発表した。
「Yahoo!ニュース」は、コメント欄における健全な言論空間を創出するため、専門チームによる人的なパトロールに加えて、自社で開発した「深層学習を用いた自然言語処理モデル(AI)」を利用して、誹謗中傷をはじめとした不適切な投稿を1日平均約2万件削除するなど、さまざまな対策を行っているという。
また、これらの対策に加えて、「Yahoo!ニュース」は2020年より、不適切な投稿の事前抑止にも注力している。
同年7月には、パトロールに活用しているAI判定モデルを用いて、“不適切である可能性が高い”と判定されたコメントを過去数日以内に複数回投稿しているユーザーに対し、注意メッセージを掲出する取り組みを開始。
これにより、過去の投稿内容やこれから投稿するコメントに乱暴な言葉づかいや他の人を傷つける表現がないかなど、ユーザー自身にあらためて考えるきっかけを提供することが同取り組みの目的であるとしている。
同取り組み開始直後の同年8月と比較して、4か月後の同年12月には、コメントを投稿したユーザー数が増加したのに対して、注意メッセージが掲出されたアカウント数は13.5%減少。
この結果から、同取り組みによって、不適切な投稿を繰り返すアカウントの減少に一定の効果が出ていることがうかがえるとしている。
「Yahoo!ニュース」は今後も、コメント欄で投稿される多様な考えや意見によって、ユーザーがニュースに対する興味や多角的な視点を持つきっかけを提供するとともに、健全な言論空間を構築するために努めていくとのことだ。