YKK APは、高窓用オペレーターや上げ下げロール網戸に使用されている「操作ひも」について、従来のループ状から、業界初の機構による安全・安心に配慮したループレス化を実現したと発表した。
ループレス仕様の操作ひもは、YKK AP窓・網戸商品の標準仕様として2021年4月発売のアルミと樹脂の複合窓「エピソードⅡ」から全面切り替えを進めていくとのことだ。
従来の操作ひもはループ状の操作ひもを引くことにより窓の開閉や網戸の上げ下げを行うが、操作ひもが子どもの体に巻き付くことで窒息などの事故につながる危険性があったという。
消費者庁は2016年、ブラインド等のひも部分による子どもの事故が複数件発生していることを受けた事故から子どもを守るための注意喚起を行っている。
YKK APでは、該当商品の操作方法や機構に関する研究開発を行うとともに、現行商品については子どもの手に届かないよう束ねる専用クリップと取り扱い上の注意書きを商品に同梱し、マニュアルに記載するなどの注意喚起の取り組みを行ってきた。
YKK APでは、操作方法や機構に関する研究開発の中で、安全性のさらなる向上に向け、操作ひものループをなくした一本ひも仕様の操作部品の実現に挑戦してきたという。
この結果、業界初の新機構の開発に至ったとのことだ。
高窓用オペレーターでは、操作部品の中間にある切替ノブを引くごとに内部の入力ギアのかみ合わせが切り替わり、出力ギアの回転方向を変えることによって、一本のひもによる窓の開閉を実現。
収納網戸では、一本のひも状のボールチェーンのボール部分一つ一つを操作部品のギアに引っ掛けることで巻取り軸を回転させ、網戸を上げ下げ。これらの機構について6件の日本特許を出願中であるとしている。
YKK APではループレス仕様の操作ひもをYKK APの窓・網戸商品の標準仕様として、2021年4月以降、全面切り替えを進めていくとのことだ。なお、仕様変更に伴う商品の価格改定はないという。
YKK APは、商品を使う全ての顧客へ安全・安心を届けるため、今後も生活者視点での商品づくりを進めていくとしている。