セブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイ)は、持続可能な社会の実現に向けて、プラスチック問題の解決に貢献すべく、昨年6月から事業を開始した共同出資会社『アールプラスジャパン』に資本参加し、使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組むことを発表した。
セブン&アイは、2019年5月にグループの環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」を発表し、目指す姿の一つ「循環経済社会(サーキュラー・エコノミー)」の達成に向けたプラスチック対策に取り組んでいるという。
ペットボトルにおいては、グループで約1,000台(2021年1月末現在)のペットボトル回収機を店頭に設置し、2019年度は約9,800t(500mlペットボトル換算で約3億6000万本)を回収しリサイクルしているとのことだ。
今回の資本参加を通じて、ペットボトル以外の廃プラスチックにおけるケミカルリサイクルについて循環経済社会を目指すため、アールプラスジャパンとともに技術・仕組の構築に努めていく方針を示している。
セブン&アイが参画するアールプラスジャパンは、米国のバイオ化学ベンチャー企業であるアネロテック社とともに、環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術開発を進めている。
ペットボトル以外のプラスチックは、現在国内では多くが燃焼されているが、今回の技術は、ペットボトルを含むその他一般のプラスチックを、直接原料(ベンゼン・トルエン・キシレン・エチレン・プロピレンなど)に戻すケミカルリサイクルの技術。
従来の油化工程を経由するケミカルリサイクルよりも少ない工程で処理でき、CO2排出量やエネルギー必要量の抑制につながるものと期待されているとのことだ。
この技術が確立できれば、より多くの使用済みプラスチックを効率的に再生利用することができるとしている。
世界で共通となっているプラスチック問題の解決に貢献すべく、回収プラスチックの選別処理、モノマー製造、ポリマー製造、包装容器製造、商社、飲料・食品メーカーなど業界を超えた連携により、2027年の実用化を目指すという。