メディカルネットと、アイリッジは共同で、オンラインの歯科相談サロンと歯科用口腔内カメラを活用した歯科向けオンライン診察サービス「デンタルオンライン」を2021年2月17日に提供開始すると発表した。
「デンタルオンライン」を利用することで、歯科医院は相談受付から新規患者の獲得、通院開始後の口腔内チェックまで、トータルで業務のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を実現できる。
患者は受診前に自分に合った歯科医院が選びやすくなり、通院負担も少なくなることから、居住地域にとらわれない良い歯科医院選びが可能になる。
なお、歯科用口腔内カメラを通じた画像をもとに診察や相談を行う歯科向けサービスは業界初となる。
厚生労働省は2020年4月、新型コロナウイルスの感染が医療機関で広がるのを防ぐため、初回の診療からオンラインや電話で医師の診断などを受けられる仕組みを、歯科診療にも適用することを決めたという。
しかし、口腔内状態をスマートフォン等のカメラで鮮明に確認するのは難しく、既存の医科向けオンライン診療サービスでは診療を行える範囲が限られるのが現状。
メディカルネットが約200医院を対象に実施した調査では、そのような状況下で7割以上の歯科医院にコロナ下での患者数減少が起きており、歯科診療に適した専用オンライン診察サービスの開発が求められているという。
また、歯科においては、医科に比べて自由診療を組み合わせた幅広い治療の選択肢があるのに加え、専門用語が並ぶ歯科医院のホームページ上の情報だけでは患者が治療方法や料金の違いを理解した上で歯科医院を選択することが難しく、受診に至るまでの患者側のハードルが高いという課題もあったとのことだ。
そこでメディカルネットとアイリッジは、受診前の相談から予約、歯科用口腔内カメラを組み合わせた診察、アフターフォローまでをオンラインで実現できる、歯科向けオンライン診察サービス「デンタルオンライン」を開発。
「デンタルオンライン」は、歯科医と患者のマッチング機能およびコミュニケーション機能を持つ歯科相談サロン「デンタルオンラインサロン」と口腔内カメラ「デンタルオンラインカメラ」を組み合わせたオンライン診察を可能にする、歯科向けオンライン診察サービス。
歯や口腔内の悩みを持つユーザー(患者)は、「デンタルオンラインサロン」で気になる歯科医師を選び、SNSアカウント等でログインするだけで、個人情報を追加入力することなくチャットやビデオでの無料相談ができるという。
その後、「デンタルオンラインサロン」からのフォローや相談した歯科医院からのフォローあるいは受診を希望する場合は、氏名やメールアドレス等の追加登録を行う。
治療開始後は、「デンタルオンラインカメラ」を導入済みの歯科医院であれば、事前に歯科医院から患者に提供される口腔内カメラを使ったビデオ通話により、リアルタイムに口腔内状況を確認しながら診察を受けられるとのことだ。
歯科医の指示に従って患者自ら口腔内カメラを操作し患部の状態を動画で送信することで、問診だけの診察に比べ適切なアドバイスが期待できるという。
「デンタルオンラインサロン」は歯科医院・患者とも登録無料で、歯科医院はサロン経由で受診につながった際に成果報酬を支払う仕組みとのことだ。
2月の正式提供開始時点では登録歯科医院数10院からスタートを予定してるという。
また、「デンタルオンラインカメラ」は初期費用と月額費用で利用でき、こちらは5院からトライアルスタートを予定しているとのことだ。
なお、「デンタルオンラインサロン」と「デンタルオンラインカメラ」は、セットで使うことでより快適なユーザー(患者)体験と歯科医院の業務効率化が期待できますが、どちらか一方のみの利用も可能だという。
メディカルネットはこれまで、生活者への歯科医療情報サービスの提供、歯科医療従事者への情報サービスの提供、歯科医療機関の経営支援、歯科関連企業のマーケティング支援など歯科医療の総合ビジネス(プラットフォームビジネス)を展開していくとしている。
アイリッジはスマートフォンアプリの開発やマーケティング支援を通じた企業のDXを支援しいくとのことだ。
今後は両社の強みを活かし、まずは処置を伴わない診察機会が多く、本サービスを最大限活用しやすい矯正歯科を中心に利用拡大を進めるとともに、一般歯科での利用拡大に向けた技術検証およびサービス検証を進め、2022年3月末時点で「デンタルオンラインサロン」登録歯科医院数100院を目指すという。
両社は「デンタルオンライン」を通じて、DXや先進的な治療に積極的に取り組む歯科医院と、良い歯科医院を選びたい患者のマッチングを実現し、歯科医院・患者双方の利便性向上に努めていくとしている。