伊藤忠エネクスホームライフ東北(以下、伊藤忠エネクスHL東北)は、東洋計器と共同で、「独居高齢者向け見守りサービスの実証実験」を開始することを決定したと発表した。
同実証実験は、LPWA通信端末とLPガススマートメーターをセットでユーザー宅へ設置することで、LPガスの使用状況を逐次確認し、ユーザーが普段通りの生活を送っていることを離れて暮らす家族などにメールで通知するサービス。
伊藤忠エネクスHL東北では、2021年度内にLPWAによるLPガス集中監視システムの全面導入を予定しており、併せてスマートメーターへの交換を進めることで、LPガス使用状況に関するより詳細なデータ蓄積が可能になるという。
それらのデータを活用した新サービスの開発を目的に、同実証実験を実施するとのことだ。
昨今、国内では少子高齢化による超高齢化社会への突入と、核家族化による高齢者一人暮らし世帯の増加が問題として取り上げられており、とりわけ東北地域はその傾向がより顕著に現れているという。
また、直近では新型コロナウイルスの感染拡大により、帰省などの移動制限も多くなっており、離れて暮らす家族とのコミュニケーションも多様に変化している。
「どうか、すばらしい今日を。」をブランドステートメントに掲げる伊藤忠エネクスHL東北は、現在、未来における様々な社会問題を解決していく取り組みとして、LPWAによるビッグデータを応用した高齢者の見守りサービスの実証実験を決定。
同実証実験では、高齢者のユーザー宅に東洋計器製のLPガススマートメーター(ハイブリッドカウンタ内蔵)と、LPWA通信端末(IoT-R)を設置し、日々取得する1時間ごとのLPガス使用量データを活用して、毎日のLPガス使用開始を電子メールで離れて暮らす家族などに通知するサービスを検証するという。
見守られる人は、普段と変わらない生活をするだけで優しく見守られ、見守る人は特別な機器は不要で、離れて暮らす人の毎日の生活リズムを確認することができるとのことだ。
また、同社の実現したいビジョンは以下となる。
1)安心して暮らしていくためのサポート
少子高齢化に伴う高齢者世帯の増加、核家族化や共働き比率の増加といった社会構造の変化にさらされる私たちのくらしの中で、ただエネルギーを届けるだけでなく、暮らしのさまざまなシーンで、よりよい生活のスタイルを提案できるよう、ユーザーへの提供サービスの発見や質向上を目指すという。
2)東北発のLPガスの仕組みづくり
東北を取り巻く様々な問題を解決するため取り組みをはじめた、LPWAによるLPガス集中監視システムを活用し、LPWAによるビッグデータを応用した仕組みを試行錯誤し、東北から全国へ発信するリーディングカンパニーを目指すとのこと。
3)データの蓄積・解析による顧客インサイトの発見と新サービスへの応用
ユーザー宅に設置されたスマートメーターとLPWAにより、日々のLPガス使用量のより詳細なデータの蓄積、および、解析が可能に。
これにより、ユーザー自身も気づかないようなニーズの掘り起こしや、蓄積データそのものを応用した顧客視点の新サービスの構築検証を重ねていくとしている。