Googleは、中高生15,557人(中学生5,835人/高校生9,722人)と、中高生の教員119名を対象にインターネット利用について調査し、この結果を「中高生インターネット利用白書2021」として公開したと発表した。

調査では、利用時間や目的、インターネット利用で感じるメリットやデメリット、そして実際に経験したトラブル等について調べた。

インターネット利用のメリットにおいて、生徒たちが「自分で経験したこと」と先生が「生徒が実感していると思うこと」設問では、2つの項目で大きな乖離が見られた。「以前よりも世の中のニュースに関心を持つようになった」「自分の将来についてより具体的に考えられるようになった」はそれぞれ高校生が72%、66%に対して教員は41%、39%だった。

この割合が高校生では増えていることからも、将来を考え始めるタイミングに、多様な情報に触れる場として、大人たちの想像の域を超えて活用されている様子が垣間見えるとしている。

同様に生徒と先生の回答に大きな違いが現れたのがインターネットのトラブルについての設問で、「SNSで知らない人から不快なメッセージが来た」「ネット詐欺にあいそうになった」は先生の想定より子どもたちの実感は3〜5倍大きかった。

この調査結果をもとに、GoogleではGrow with Googleプログラムで提供しているインターネットリテラシーについて学べる教材の拡充を実施。

同教材は、ARROWSの協力のもと全国の中学・高校に提供しているという。新しい教材の提供開始は3月下旬を予定しているとのことだ。

安全なインターネット利用のために

Googleは、常に直感的に使えて、シンプルかつ便利な製品の開発を目指しているという。

そのアプローチはプライバシーやセキュリティでも同じであるとし、データの管理もレストランの予約や家までの最短ルートを検索するのと同じくらい簡単であるべきとしている。

そのような考えのもと、セキュリティ診断やパスワードチェックアップ等の様々なツールを提供している。

セキュリティ診断は、Googleアカウントを一元管理・保護するためのツール。クリックするだけでアカウントのセキュリティの概要を確認し、データを安全に保つための対応策を提案するという。

パスワードの管理にはパスワードチェックアップを活用し、Googleアカウントに保存したパスワードのセキュリティをチェックして、パスワードが不正使用のリスクにさらされているかどうかを調べることができるとのことだ。

Grow with Googleでは、中高生向けのコンテンツに加え、安全なインターネット利用に関するトレーニングコンテンツを公開しており、昨年一年間で10万人以上に活用されたという。

また、オンラインセキュリティに関する無料の講座などに加え、新しいトレーニングコンテンツとして「クラウドで情報共有を行う際に確認すべきこと」を追加。

コロナ禍によりオンラインでの情報共有の機会が増える中で気をつけるべき点やGoogle DriveやGoogleグループなどの関連するGoogle製品の使い方と設定方法を紹介している。

今後、活用機会が益々増えるクラウドサービスの使い方を学ぶための資料として活用できるとのことだ。

さらに、おうち時間の増加で利用機会が増えたYouTubeの情報管理についても紹介。

YouTubeの検索履歴や視聴履歴は「YouTubeでのデータ」で管理でき、シークレットモードにすることで履歴などを残さずに視聴することもできる。切り替え方は簡単で、YouTubeアプリで自分のアイコンをタップして「シークレットモードを有効にする」を選ぶか、ブラウザをシークレットモードにしてYouTubeにアクセスすることで可能。

なお、13歳未満の子どもだけでYouTubeを視聴する場合は、YouTube Kidsの使用を推奨している。

YouTube Kidsでは、子どもごとにプロフィールを作成して視聴できるコンテンツ選択や、視聴時間を制限するタイマーの設定、適切なデジタル習慣を身に付けるために役立つ情報も提供。

YouTubeの全般的なプライバシーやセキュリティへの取り組みはHow YouTube Works(YouTubeのしくみとは?)にて記載されているとのことだ。

大切な人たちとつながるために欠かせなくなった様々なデジタルのツールを上手に、そして安全に活用できるように、Googleはトレーニングコンテンツやツール提供を通じ、安心、安全なインターネット利用を今後も支援していくとしている。