NTTとNTTアーバンソリューションズは、IOWNの研究開発を活用した「街づくりDTC™(Digital Twin Computing)」による、未来の街づくりに向けた技術開発と街区実証実験を開始すると発表した。
NTTグループでは、Withコロナ時代の働き方、暮らし方の多様化に備えた「リモートワールドの構築」、SDGsに欠かせない「カーボンニュートラルの達成」や、「インクルーシブな社会の実現」に向けて、「街づくりDTC™」技術を活用した新たな街づくりをめざすとのことだ。
様々な街の状態を再現する複数のデジタルツインによる未来予測シミュレーションと、それらを連鎖させたデジタルツインコンピューティングによる相互最適化を用いることで、例えば省エネルギーと快適性、さらには街の運用効率性や賑わいなど、さまざまな指標をすべて考慮した、街全体の最適化を行うという。
NTTおよびNTTアーバンソリューションズは、この「街づくりDTC™」技術を活かして、NTTグループが関与する既存街区や、2022年1月竣工予定の「アーバンネット名古屋ネクスタビル」(愛知県名古屋市東区東桜)など新規開発する街区において実証実験を行う。
これにより、街区に住まう人、集う人、働く人にとって魅力を感じてもらえる新たな価値を提供することをめざすとしている。
両社は高い技術力・最新のICTソリューションを提供するだけでなく、それらを駆使することで、街区の人々が「活き活きと暮らす・働く」「一人ひとりが幸せに感じる」「ワクワクする体験ができる」といった価値を、実証実験を通じて実現するとのことだ。
この実証実験は、NTTおよびNTTアーバンソリューションズとNTTグループ各社(NTTデータ、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、NTT東日本、NTT西日本、NTTコムウェア、NTT都市開発、NTTファシリティーズ)の技術・アセットを結集。
またそれとともに、別途NTTが取り組む4Dデジタル基盤™を組み合わせて実施し、NTTグループ一体で、街区のもたらす魅力向上と、これまでにない体験・価値を提供する「未来の街づくり」を実現するとのことだ。
今後の取り組みについては、具体化・詳細化した段階で継続的に発表していくとしている。
なお、現在発表されている今後開始予定の取り組みとして、NTTグループ各社が共同で、2020年度より、オフィス商用ビル街区、ターミナル街区における「街づくりDTC™」の実証実験を開始。
実証実験は、アーバンソリューションズグループや他グループ各社が関与する既存物件や、2022年1月竣工予定のアーバンネット名古屋ネクスタビル街区など新規物件を皮切りに、継続して実施していくという。
また、実証実験を通じて順次、「街づくりDTC™」における機能の実用化をめざし、必要な技術の研究開発を推進。
将来には、「デジタルツインコンピューティング」構想の一環として、街づくりDTC™の具体化に向けた取り組みを、各産業分野のパートナー、顧客と推進していく所存であるとのことだ。