カシオ計算機(以下、カシオ)とアシックスは、ランナー向けパーソナルコーチングサービス『Runmetrix(ランメトリックス)』の提供を契機として、スポーツを通して健康で活気ある社会の実現を目指した価値共創事業を本格的にスタートさせることを発表した。

スポーツが心身の健康にもたらす効果に注目し、カシオがもつウエアラブルデバイスの開発力やセンシング技術のノウハウと、アシックスがもつスポーツ工学の知見やデータという両社の強みを生かし、スポーツ・健康市場において一人一人にパーソナライズされたユーザー体験の提供を進めていくとのことだ。

共創事業の第1弾として、ランナー向けパーソナルコーチングサービス『Runmetrix』の提供を開始。

両社の強みを生かしたアプリと端末で、初心者から上級者まで、ランナーの目的やレベルに合わせたパーソナルコーチングを実現。3月4日よりスタートするとのことだ。

なお、両社では同構想の積極的な推進に向けて合弁会社の設立を検討しているという。

内閣府のSociety5.0にもある通り、近年、医療や介護に依存することなく、自立した生活を送ることができる健康寿命という考え方の重要性が高まっている。

また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、スポーツ・健康への意識がこれまで以上に高まっているほか、デジタル技術を用いたリモートでのコーチングシステムに対する需要が増すことが予想され、それらをサポートする取り組みが求められているとのことだ。

その課題を解決するべく、カシオとアシックスの共創により、アプリ、モーションセンサー、“G-SHOCK”を組み合わせたランナー向けのパーソナルコーチングサービス『Runmetrix』を開発。

モーションセンサーを用いることでランニングに関する20種類以上もの指標を算出してランナーにとって分かりやすい項目に置き換えることで、走りの特徴を可視化し、改善点や練習プログラムなどを提示するという。

従来のアプリサービスの多くは、距離、ペース、ピッチ、ストライドといった項目を測定して記録するという機能が主であったが、同サービスでは、よりランナーのニーズに寄り添った機能を搭載し、モチベーションの維持向上をサポートするとのことだ。

今後両社では、ランニングのみならず健康領域にも拡大を進め、共創事業の第2弾としてウオーキングの新サービス「Walkmetrix(ウォークメトリックス)」の提供も予定。本年10月の導入を目指すとしている。

さらに、各自治体の健康的な街づくりの取り組みをサポートするなど、サービスの提供以外においてもスポーツ&ウエルネスソサエティーの実現を目指した事業を積極的に進めていくとのことだ。

Runmetrix

トップランナー層では、自身の走り方をデータ化し、専門知識をもつコーチの指導を受けるといった取り組みが積極的に行われているが、一般ランナーにとって、そうした機会は多くない。

その課題を解決するために、今回のパーソナルコーチングサービスを開発。GPSや9軸センサーを搭載したモーションセンサー『CMT-S20R-AS』を腰に装着して走ることで、走行距離やペース、ピッチ、ストライドに加えて、体幹の傾きや骨盤の回転、接地衝撃などフォームに関する指標を多数算出。

それらの指標をもとに、アプリ上にて3Dフォーム分析や改善のためのアドバイスを掲示し、目的に合わせた練習プランや解析結果をもとに提示されるストレッチ、筋力トレーニングからなる“からだづくりプログラム”を作成するという。

“G-SHOCK”『GSR-H1000AS』を活用すると、ランニング中にペースや距離、心拍などの情報も確認でき、さらにモーションセンサーと連携することで、フォーム指標をリアルタイムで確認することや、フォームの乱れを検知して通知することも可能であるとしている。

なお、同製品は全国の主要家電量販店やECサイトの他に、アシックス直営店各店およびアシックスオンラインストアや、同じく全国7か所にある“G-SHOCK”のアンテナショップでも販売。

販売においても両社の強みを融合させ、展開を進めていくとのことだ。

サービスの主な内容は以下。

20種類以上のランニング指標を算出

腰にモーションセンサーを装着して走るだけで、従来は設備の整った施設でのみ可能だった科学的計測を実現。ピッチやストライドのほか、蹴り出す加速度や腰にかかる衝撃、骨盤の動きや傾きなどの姿勢情報をバイオメカニクスの知見をもとに解釈しランニングフォームを細部まで解析する。

ランナー一人一人に寄り添ったパーソナルコーチング

計測したデータをもとにフォームをスコアで表示するほか、フォームの改善点について、アニメーションを交えてアドバイス。

さらに目的に合わせたランニングプログラムやからだづくりプログラムも提示され、個人に合わせた専門的なアドバイスを手軽に受けることができ、目標達成をサポートするという。

充実したランニングアプリの基本性能

パーソナルコーチング機能だけではなく、走行時間や距離、軌跡などの計測記録の管理やSNSとの連携機能も備えているので、通常のランニングアプリとしても活用できる。

■走行データを手元で確認できる“G-SHOCK”

モーションセンサーと連携し、各種ランニングフォームに関連した指標をリアルタイムに確認できるという。

また、フォームに乱れが生じたときにはアラートで知らせ、効率的なフォーム改善をサポート。さらに、“G-SHOCK”内蔵の光学式センサーにより心拍数が確認できるため、体への負担を確認しながらペースのコントロールが可能になるとしている。

なお今回、『Runmetrix』の提供開始を記念して、“G-SHOCK”とコラボレーションしたランニングシューズを3月4日からアシックスオンラインストアおよびアシックス直営店各店で発売。

軽量性と反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST(ノヴァブラスト)」のスペシャルカラーモデルで、両社の持つ先端テクノロジーとブランドイメージを表現したキーカラーを採用。

ボリューム感のある先進的なデザインでありながら、軽さと優れた反発性が感じられるなど、爽快な走り心地が得られるようにしたのが特徴となっている。

商品概要
価格:17,000円+税
カラー:ブラック×ブラック
発売:3月4日 1月28日より予約受付を開始