信越化学工業は、電気自動車（EV）・ハイブリッド自動車（HEV）向けの放熱用シリコーン材料を開発したと発表した。
自動車の電動化に伴い、リチウムイオンバッテリーや各種電子制御装置向けの熱対策への要求は、ますます高度化し多様化している。
また、世界的に自動車の電動化が加速するなかで、放熱材料の使用量が増加し用途が拡大している。
信越化学では、このような市場環境に対応して、EV・HEV向けの高度な熱対策の要求に応えることのできる低密度・低硬度放熱シリコーンパッド「TC-PENシリーズ」および低硬度・高復元性放熱シリコーンパッド「TC-SETシリーズ」の2種類の特長ある新製品を開発したという。
「TC-PENシリーズ」は、独自の技術で低密度化したことにより、従来品と同等の放熱性能と作業性を保持したまま、従来比で約15%の軽量化を実現（TC-PEN3タイプ）。
軽量かつ柔軟性に優れているため、リチウムイオンバッテリーなど、大きな面積で使用される部位や凹凸のある発熱素子の放熱に適しているとのことだ。
「TC-SETシリーズ」は、これまで技術的に難しかった低硬度と高復元性を両立させている。
このため、車載品で長期にわたり耐振動性、高復元性が要求される各種電子デバイスの放熱に適しているという。
放熱用シリコーン材料はパッドタイプのほかに、ゴムシートタイプ、グリースタイプ、ギャップフィラータイプ、液状ゴムタイプ（接着剤・ポッティング剤）などの各種製品を品揃えしている。
これにより、多種多様な放熱用シリコーン材料を顧客に提案できるシリコーンのメーカーとして、さまざまな熱対策の要求に応えることができるとのことだ。
信越化学は、新製品の開発とともに、熱解析技術によるテクニカルサポートやIATF16949:2016認証工場での製造・加工を開始するなど、顧客の高度化する要求に対応していくとしている。