INDEX
旭化成建材快適空間研究所は、新型コロナウイルス感染拡大防止を受けて急速に広がった在宅勤務をしている人々の住まいと暮らしの実態を把握するため、調査を実施し、その結果を発表した。
同調査は、首都圏と関西圏の戸建住宅に住む“共働き夫婦”で、昨年の1回目の緊急事態宣言が解除された後の2020年6月以降も在宅勤務をしたことがある人を対象に、住まいに対する価値観、在宅勤務に対する意識や暮らしの満足度の変化、室内環境への意識等について、2020年9月に実施した。
新型コロナウイルス流行前と比べて「在宅の仕事のしやすさ」が、住まいでもっとも大切に
まず、新型コロナウイルス流行前と現時点(2020年9月)を比べた「生活価値観・生活信条」の変化をみてみると、変わったと回答した人は57.2%と半数以上に上っている。
次に、住まいの中で何を大切にしたいと思っているのかについては、「ぐっすり眠れる」「家族とコミュニケーションできる」が60%以上となっている。
新型コロナウイルス流行前と比べてより大切になっていることは、「在宅の仕事がしやすい」が31.6%と最も多くなっている。
また、「家族とコミュニケーションできる」は、「住まいで大切にしたいこと」と同様、2番目に挙がっており、コロナ禍で家族の大切さを再認識するとともに、新しい生活様式が浸透している様子が伺える。
新型コロナウイルス収束後も在宅勤務の割合を半数以上にしたい人が6割を超える
新型コロナウイルス流行前と比べて、「家の中での過ごし方」「仕事と家族・自分時間のバランス」が変わったと回答した人が約6割に上っている
新型コロナウイルス収束後も在宅勤務の割合を半数以上にしたいと考えている方が62.9%にも上り、特に、週3日以上在宅勤務をしている人では、その割合が8割を超えている。
在宅勤務のメリットは、「通勤しないことにより、心身へのストレスがなくなる」48.7%、「通勤の時間が省けてその時間を仕事など自由に使える」48.0%、「仕事の合間に家事や雑用ができる」44.8%、「家族と過ごす時間が増える」40.7%など、「ストレス・健康」、「時間」、「家族との過ごし方」に関する項目が高くなっていた。
在宅勤務のメリットとして上位に挙がった「時間が有効に使える」に関して、なくなった通勤の時間を有効に使っているか聞いたところ、84.0%の人が有効に使っていると回答している。
また、通勤時間の具体的な使い道としては、「家事」「睡眠」「家族との会話・コミュニケーション」に使っている人が多くなっており、通勤時間を有効に使っていると回答した人ほどその割合が高くなっているということが明らかとなった。。
新型コロナウイルス流行前と比較した家族関係の変化について聞いたところ、「家族と一緒に食事ができる回数」「家族と一緒に過ごす時間」については、5割以上が良くなった(かなり良くなった+良くなった+まあ良くなった)と回答している。
男女年代別でみると、30代が男女問わず全ての項目で良くなったと回答している割合が高く、特に「家族と一緒に食事ができる回数」と「家族と一緒に過ごす時間」については、30代の女性が高く評価している。
また、長子年齢が小さい人ほど、良くなったと回答している人が多くなっている。
在宅勤務をしている場所の室内環境で大切にしているのは「温度」「昼間の明るさ」
在宅勤務をしている場所については、「居間」50.6%と最も多く、「書斎」36.6%、「寝室」20.2%と続いている。
一方、理想の場所は、「書斎」が57.7%となっており、現実とは異なっていることが明らかとなった。
昨年の夏、在宅勤務をしている場所の環境で大切にしていたのは、「温度」が63.3%と最も多く、快適な室温で仕事をすることが大切だと考えている人が多いことがわかった。
また、「昼間の明るさ」が40.7%と続いているのは、昼間の室内の明るさとオフィスの明るさの違いがこの結果となった一因であることが考えられるという。
在宅勤務をしている場所で大切にしている以下の項目について質問したところ、「したいことに集中できる」「リラックスできる」「落ち着きがある」「したいことが効率的・スムーズにできること」が上位に挙がった。
「リラックス」は住まいで大切にしている人が多かったが、仕事の場所では「集中」が「リラックス」を超えていることが明らかとなった。
1. 調査目的:2020年6月以降に自身がテレワークを実施した経験を持つ共働き夫婦の、コロナ禍における価値観、暮らし方、住まい方への意識・行動及び評価などを把握するため。
2. 調査時期:2020年9月28日~2020年10月7日
3. 調査対象:①関東(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)関西(京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、滋賀県)
②30~59歳男女 持家戸建住宅居住者
③共働き夫婦
④2020年6月以降、自身テレワーク経験者(回答者数:757)
<参照元>
旭化成建材快適空間研究所『「“共働き夫婦 在宅勤務経験者”の住まいと暮らしの意識・実態」調査結果について
』