Apple、心電図アプリケーションがApple Watch Series 4、5、6で利用可能に

Appleは、心電図アプリケーションが、iOS 14.4とwatchOS 7.3のリリースによりApple Watch Series 4、5、6で日本において利用が可能になると発表した。

同機能によって初めて消費者向け製品として、ユーザーが手首の上で心電図を記録することを可能にし、自分の心臓の健康について知りたいと思った時に心拍リズムを記録、重要な情報を医師に共有できるようになるという。

また、Apple Watch Series 3以降で利用できる不規則な心拍の通知機能は、バックグラウンドで心拍リズムを時折チェックし、心房細動(AFib)の兆候がある不規則な心拍リズムを特定した場合に通知をするとのことだ。

心電図アプリケーションと不規則な心拍の通知機能は、不整脈に最も多い心房細動(AFib)の兆候を検知するために役立つ。心房細動は、治療をせずに放置すると、世界で2番目に多い死因である脳卒中につながるおそれもあるという。

Appleのチーフオペレーティングオフィサーであるジェフ·ウィリアムズ氏は以下のように述べている。

「Apple Watchが世界中の多くの方々のお役に立ち、お客様の生活の重要な一部となっていることを光栄に思います。これらの心臓に関する機能のリリースにより、Apple Watchは、人々が自分自身の健康についてより多くの情報を得られるようにするための、次の一歩を踏み出しました」

また、Appleのヘルスケア担当バイスプレジデントであるサンブル·デサイ博士は、

「これらの機能が、ユーザーにとってより多くの情報に基づいて医師と対話ができる一助になると確信しています。心電図アプリケーションと不規則な心拍の通知機能により、ユーザーはさらに意味のある形で、自分の心臓の健康についてよりよく把握できるようになります」

とコメントしている。

心電図アプリケーション

Apple Watch Series 4、5、6の裏蓋にあるクリスタルとDigital Crownに組み込まれている電極が、心電図アプリケーションと連係して第Ⅰ誘導心電図に類似した心電図を記録することを可能にする。

心電図はいつでも記録でき、記録するにはApple Watch Series 4、5、6で心電図アプリケーションを開いてDigital Crownに指をあて、ユーザーがDigital Crownに触れると回路が機能し、心臓を通る電気信号を記録。

30秒後、心拍リズムは心房細動、洞調律、低心拍数、高心拍数、判定不能のいずれかに分類される。

すべての記録、記録の分類、注意が必要な症状は、iPhoneのヘルスケアアプリケーションに安全に保存されるとのことだ。また、結果のPDFは医師と共有することができるという。

不規則な心拍の通知

Apple Watch Series 3以降に内蔵されている光学式心拍センサーを利用して、不規則な心拍の通知機能は、心房細動(AFib)の兆候がないか、バックグラウンドでユーザーの心拍リズムを時折チェック。

最低65分以上の時間をかけて5回の心拍リズムのチェックを行い、不規則な心拍リズムが検出されるとユーザーに通知するという。

東京都医師会の尾﨑治夫会長は「ようやく日本でも心電図アプリケーションおよび不規則な心拍の通知機能が使えるようになることを大変嬉しく思っております。今後日本で、Apple Watchのこれらの機能が心房細動を早期に発見し、医師との対話、そして治療に結び付けられるような役割を果たしていくことを期待しています」とコメント。

心電図の記録を心房細動(AFib)と洞調律に正確に分類する心電図アプリケーションの機能は、約600人が参加した臨床試験で検証されたという。

検証では医師による標準基準の12誘導心電図のリズム分類と、心電図アプリケーションが同時に記録したリズム分類を比較。

この研究で、Apple Watchの心電図アプリケーションは、分類可能な記録のうち、心房細動の分類で98.3パーセントの感度を、洞調律の分類で99.6パーセントの特異度を示したとしており、また、この研究では、心電図アプリケーションによる分類可能な記録は全体の87.8パーセントであったという。

不規則な心拍リズムの通知機能は、Apple Heart Studyで研究が行われたという。40万人を超える人々が参加したApple Heart Studyは、心房細動に関する過去最大規模のスクリーニング検査であり、心臓血管に関する過去最大級の取り組みであるとのことだ。

これらの心臓に関する新機能を有効にするには、画面上の説明に従って設定を行い、設定内容には、どんなユーザーがこの機能を利用でき、各機能で実行できること、できないこと、どのような結果を得る可能性があるか、そしてその結果をどのように解釈し、早急な治療が必要な症状を感じている場合にはどうすればよいかをはっきりと説明することが含まれるという。

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