大日本印刷、発売前の商品のテストマーケティングを可能にする「DNPテストマーケティング支援サービス」を提供開始

大日本印刷(以下、DNP)は、発売前の商品の売上予測シミュレーションや小売店舗でのテストマーケティングなどを行う「DNPテストマーケティング支援サービス」を1月に開始すると発表した。

DNPテストマーケティング支援サービスにおけるAI売上予測システムのイメージ

同サービスは、実店舗の棚での商品の陳列方法や販促物の設置による売上動向の違い等を分析して、マーケティング施策の結果を定量的に予測するという。

同サービスの導入企業は、AI(人工知能)を活用して施策パターンごとの売上をシミュレーションする「AI売上予測システム」によるコンサルティングのほか、「リアル店舗でのテスト販売」「生活者や個人事業主へのテストセールス代行」を利用することが可能で、商品開発やパッケージのリニューアル、費用対効果の高い販促活動につなげていくことが可能。

近年、生活者の嗜好・ライフスタイル・価値観が多様化するなかで、小売店の店頭での販促施策の効果を予測して費用対効果を高めたいというメーカーのニーズが高まっている。

また、発売前の商品を生活者モニターに体験してもらい、改善点や購入意向などを調査した結果と、実際の来店者の購買行動に乖離が生じるという課題もあった。

特に直近のコロナ禍において、リアルな場の利用が制限されるなか、感染リスクを低減する非接触型のテストマーケティングの実施も求められているという。

こうしたニーズに対してDNPは今回、「DNPテストマーケティング支援サービス」を開発し、生活者による新商品の受容動向や販売方法の事前検証、最適な販促計画の立案などを行っていくとのことだ。

DNPテストマーケティング支援サービスの特長は以下になる。

1.店頭でのマーケティング施策の効果を事前シミュレーションする「AI売上予測システム」

本サービスを利用する企業の自社商品や競合商品の店頭での販売価格や、棚に置かれる位置(棚割り)、店頭に設置する販促物などの施策による売上の変化を、あらかじめAIに学習させた多次元予測モデルを用いてシミュレーションする。

発売前の商品の価格やパッケージ等の検討、他社商品との競合状況の把握、効果的な販促ツールなど、トータルな施策効果を、生活者が商品を支持する度合いを測る指針の一つ「PI値」で予測。

その上で、売上増のための効果的な棚割り・価格・商品パッケージ・販促物について、最適な組み合わせパターンを提案するという。

AI学習に必要なID-POSデータとPOSデータは、DNPが協業するSegment of One & Onlyを通じて国内のドラッグストアチェーン数社から提供を受けるとのことだ。

2.リアル店舗でのテスト販売が可能

DNPは、ハシドラッグとの連携をはじめ、さまざまな小売・流通企業と協業し、発売前の商品を実際に販売する予定の店舗でテスト販売を実施するサービスを提供。

通常の棚の一部を利用するほか、催事スペースを設けるなど、サービス導入企業の要望に応じて、テスト販売施策の実施・検証をDNPが代行するという。テスト販売を通じて、主に以下の項目についての検証が可能とのことだ。

3.さまざまな形でのテスト販売の代行が可能

DNPは常時50名以上のスタッフを各店舗に派遣して、販売代行することができるという。

また店頭以外でも、生活者の自宅や会社のオフィス等を対象として、実際に訪問してのテスト販売や、リモート接客システムを利用した遠隔でのテスト販売代行も可能。

こうした活動を通じて、効果検証や改善施策の提案を行うほか、商品開発の段階から生活者等の意見を取り入れることで販売精度を高めることができるという。

DNPは、日用品メーカーなどへ同サービスを提供するとともに、店頭での販促施策の立案、販促ツールの企画・制作なども行い、2023年度までに関連サービスも含めて15億円の売上を目指すとのことだ。

また、分析用AIの精度の向上、テストマーケティングの対象商品カテゴリーやテスト販売の実施環境の拡充などにも注力していくとしている。

モバイルバージョンを終了